2015年3月25日
ベトナムにおける中小企業の金融問題-正規金融・非正規金融の選択に関する実証研究
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- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 学位論文(博士)
- DOI
- 10.5296/ifb.v1i2.6695
本稿では①ベトナム中小企業金融の特徴を概観し、②その資金調達に関する経済学的な理論や移行期経済における先行研究についてサーベイを行い、③正規金融へのアクセスに関する実証分析や④非正規金融へのアクセスについて実証分析を行った。分析から、次のようなことが述べられるようになった。第一に、ベトナム中小企業は、直接金融を用いるのは難しく、正規金融を代表する銀行や非正規金融を代表するマネーレンダーにアクセスし、資金調達を行ってきた。第二に、正規金融へのアクセスに関して、担保財産、銀行との関係やビジネス環境は企業の資金申請と資金取得を促進したことが検証できた。第三に、非正規金融へのアクセスに関して、正規金融市場での借入制約、投資活動といった要因が非正規金融へのアクセスを決定したことが検証できた。また、第四に、ベトナム非正規金融は、正規金融の副次的な役割よりも主的な役割を果たしていることが明らかにした。最後に、非正規金融の役割は大きな影響力があるようにみられるが、正規金融にアクセスする需要自体は潜在的に高いため、正規金融からの借入を奨励することに重点を置くべきであるという結論を出した。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.5296/ifb.v1i2.6695
- J-Global ID : 201601012660064585
- ORCIDのPut Code : 5599
- ORCIDのPut Code : 8096