論文

2014年1月

足背動脈触知可能な浅大腿動脈閉塞を伴った大腿骨骨幹部骨折の一例

骨折
  • 川本 匡規
  • ,
  • 河野 譲二
  • ,
  • 濱口 満英
  • ,
  • 岡 久仁洋
  • ,
  • 前田 一哉
  • ,
  • 倉都 滋之

36
1
開始ページ
113
終了ページ
115
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本骨折治療学会

足背動脈触知可能な大腿骨骨幹部骨折に浅大腿動脈閉塞を合併し、初期診療の造影CTで偶発的に術前診断できた症例を経験した。症例は22歳、男性。バイク自己転倒で右寛骨臼骨折、右股関節脱臼、右大腿骨頭骨折、右大腿骨骨幹部骨折を受傷。初期診療時より足背動脈触知可能なAO分類B2の大腿骨骨折を認めたが、造影CTにて浅大腿動脈閉塞を認めた。手術時に側副血行路損傷の危険があり、バイパス手術後に観血的整復固定術を施行した。大腿動脈損傷で疎血の5P(pain pallar paresthesia paralysis pulselessness)が揃うのは20%程度、末梢動脈拍動は20〜30%で触知可能といわれている。自験例では一貫して足背動脈触知可能であったが、浅大腿動脈は閉塞しており、術前に血流を評価せず大腿外側より手術操作をすると側副血行路を損傷し下肢壊疽に至る危険があった。渉猟しえた範囲ではAO分類A3以上で大腿動脈損傷合併例が報告されており、A3以上の症例では下肢造影CTなどで下肢血流を評価する必要があると考える。(著者抄録)

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