論文

2013年12月

輸液量に対する尿量の比からみた広範囲熱傷患者の予後比較

熱傷
  • 濱口 満英
  • ,
  • 村尾 佳則
  • ,
  • 松島 知秀
  • ,
  • 藤田 周作
  • ,
  • 西脇 仁
  • ,
  • 坂田 育弘

39
5
開始ページ
271
終了ページ
277
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本熱傷学会

熱傷はbody surface area:BSA(II度熱傷面積+III度熱傷面積)、burn index:BI(熱傷指数)やprognostic burn index:PBI(熱傷予後指数)にて重症度が判定され初期治療が開始される。受傷後24時間以内に行われる輸液を一般的に初期輸液と定義しているが、本邦においては初期輸液量や速度およびその指標について、現在結論が得られていないのが現状である。当院救命救急センターではBaxterの公式を用いて受傷後24時間の輸液量を決定し輸液を開始している。受傷後からの輸液開始時までの輸液分は、搬入後2〜4時間程度で急速輸液される。搬入後4時間以降は0.5〜1ml/kg/hrの尿量を指標に輸液の調整を行っている。経過中に循環血液量維持のために予測輸液量を大幅にこえる輸液が必要となっている症例や、輸液量に対する尿量の割合が10%以下になってきている症例、受傷24時間後において輸液量に対する尿量の割合が4.5%以下の症例では、初期輸液量の調整、アルブミン値や浮腫の状態をみてコロイド製剤の投与を考慮すべきである。重症度判定は初期治療開始前に行っているが、早期には熱傷面積や深度など正確に判断することが困難であることや、初期治療において全身状態も変化していることから、初期輸液終了後(受傷後24時間)に再評価するのが望ましい。そのときの指標として、全身状態を評価項目に加えられているAPACHE II scoreや輸液量に対する尿量の割合が有用である。APACHE II scoreが初期輸液終了後に有意に上昇する症例や、24時間輸液量に対する尿量の割合が4.5%以下の症例は予後不良因子であると考えられる。(著者抄録)

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