ロボット支援下手術では各ロボットアーム間に一定の距離を保つ必要があるため、痩せた女性ではポート配置に苦慮することがあるが、肥満女性ではポート間距離を保った配置を容易に行うことができる。また、ロボット支援下手術の手術創は肥満女性において創感染のリスクが低いと考えられるため、当科ではBMIが30以上の肥満女性に対してda Vinci Xiサージカルシステムを用いたロボット支援下子宮全摘術を施行している。今回、BMIが50を超える患者に対して初めて施行し、手術時間は延長したものの周術期合併症はなく良好結果が得られたので報告した。手技上の工夫として、術前CT画像から腹壁皮下脂肪厚を計測し、最薄部である臍部から第一穿刺を行い、カメラポートを作成後、臍高にda Vinciポートを留置した。臍部はオープン法で直視下に筋膜・腹膜切開を行うことにより、安全かつ短時間でポートを作成することができた。