共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

電気回転法を用いたキメラ抗原受容体を発現する高活性なT細胞のスクリーニング

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K05548
体系的課題番号
JP19K05548
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

本研究の特徴は,単一細胞を捕捉可能なマイクロウエルに対して4本の電極を配置させたマイクロウエル型電気回転デバイスを基盤として,外部刺激によって誘導される細胞電気特性(細胞膜容量,細胞質導電率)の変化を,外部より印加した交流電場との静電的な相互作用によって細胞に作用する力として一括に検出することにある.
本年度は,本研究の最大の特徴である,マイクロウエルを有した電気回転デバイスを作製した.マイクロウエル底面に2本,マイクロウエル上面に2本のマイクロ電極を有するウエル型電気回転デバイスを通常のフォトリソグラフィを用いて作製した.細胞の電気回転速度の視認性を高めるために基板にはガラス基板を用い,電極は透明導電性電極ITO,マイクロウエルは透明のエポキシ系のレジストを用いた.一度の実験で最大で225個の細胞をマイクロウエルへ捕捉した状態で電気回転の誘導が可能でデバイスを構築した.
このデバイスにJurkat細胞を導入した.数分間のインキュベーションによって細胞の自重によってウエルに捕捉されウエルへの単一細胞の捕捉は70細胞程度であり30%程度の充填率であった.4つのマイクロ電極への位相を90°ずらした交流電圧の印加によってマイクロウエル内に交流電場を誘導し,ウエル内の細胞を電気回転させた.300kHzの周波数の印加によって,細胞が一定の速度で電気回転することを実証した.
本デバイスの最大の特徴はマイクロウエル内で細胞の電気回転を誘導する点である.ウエル外の溶液に流れが生じてもウエル内の細胞は一定の速度で電気回転することが判明した.細胞はウエルに捕捉されているため,電気回転中に別の細胞の混入や,ウエルからの細胞の損失も生じず,数分間にわたって電気回転計測の計測が可能であった

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K05548
ID情報
  • 課題番号 : 19K05548
  • 体系的課題番号 : JP19K05548

この研究課題の成果一覧

論文

  3

講演・口頭発表等

  21

社会貢献活動

  3