DFT計算によるCs-B-O系化合物の熱力学特性評価
日本原子力学会2021年秋の大会
- 開催年月日
- 2021年9月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 札幌(online)
- 国・地域
- 日本
過酷事故時においてBWR制御材であるホウ素(B)はCsと化学反応を生じてCs-B-O系化合物が形成されCsの化学挙動に影響を与える可能性が示されているものの、その知見は僅少である。そこで、Cs-B-O系化合物としてCsB$_{5}$O$_{8}$について、DFT計算と格子振動計算により熱力学特性の評価を行った。CsB$_{5}$O$_{8}$のDFT計算にはVASPを用い、熱力学特性を評価するための格子振動計算にはPhonopyを用いた。まず、CsB$_{5}$O$_{8}$の格子振動計算の結果としてフォノン状態密度を計算したところ格子振動の周波数の虚数成分がほぼないことから、最安定構造により適切に格子振動計算が行われたことを確認した。次に、擬調和振動子近似によりCsB$_{5}$O$_{8}$の比熱等の熱力学特性を計算した。このように非経験的な手法によって、これまで測定されていなかったCsB$_{5}$O$_{8}$の熱力学特性を計算することができた。