2022年3月
ステンレス鋼表面に形成されるCs-Si-O化合物とCs-Si-Fe-O化合物の相安定性評価
Journal of Nuclear Science and Technology
- ,
- ,
- 巻
- 59
- 号
- 3
- 開始ページ
- 345
- 終了ページ
- 356
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.1080/00223131.2021.1971576
福島第一原子力発電所事故などの過酷事故(SA)では、原子炉の構造材料の表面に核分裂生成物(FP)が沈着する可能性がある。FPの中でも特にセシウム(Cs)は重要であり、SA発生時には原子炉内の構造材のステンレス鋼(SS)の表面にCsケイ酸塩等の種々のCs化合物が形成される。これらのCs化合物の相安定性を評価するために、Cs-Si-O化合物のエネルギーの計算を実施した。その結果、Cs$_{6}$Si$_{10}$O$_{23}$がCs-Si-O化合物の中で最も安定していることが分かった。さらに、Cs-Si-Fe-O化合物のエネルギーの計算を実施した。計算結果より、Cs-Si-Fe-O化合物はCs-Si-O化合物よりも安定しており、CsSi$_{2}$FeO$_{6}$がCs-Si-O化合物およびCs-Si-Fe-O化合物の中で最も安定していることが分かった。今回の計算と過去の実験の結果によって、Cs-Si-Fe-O化合物はCs化学吸着によってSS表面に安定して形成できることが示された。
- リンク情報
- ID情報
-
- DOI : 10.1080/00223131.2021.1971576
- ISSN : 0022-3131