基本情報

所属
愛媛大学 法文学部 朝鮮語非常勤講師
(兼任) 法文学部 朝鮮語非常勤講師
学位
博士(文学)(千葉大学)

J-GLOBAL ID
201701000673110569

大学の学部4年生から博士課程を修了するまで,私の研究対象は一貫して現代朝鮮語のヴォイス,特に接尾辞‘-이-,-히-,-리-,-기-’による動詞の派生形(以下,派生形)を含む文である。今後もこれが私の主たる研究対象である。
博士論文を執筆するまでに,この派生形を含む文をどのように考察するかという方法論を設定するのに随分と時間がかかっている。というのも,現代朝鮮語のヴォイスを取り扱った先行研究の中には,この派生形の一般的特徴(派生形は受動を表したり,使役を表したりすること)にその議論をとどめたり,それぞれの派生形を含む典型的な文だけに言及し,典型的ではない文をも記述しようとした研究が少なくないからである。しかしながら,先行研究の中でも,Klaimanが提示した方法論には一般から個別へという言語的還元性を捉えることができ,その方法論によってこれらの派生形を含む文も考察できるのではないかという確信を彼女の研究を概観することで得た。彼女の方法論とは,動作の主体や動作の客体の存在論的卓立性の高低によって現代朝鮮語の受動文が存在するかどうかが決定されるというものである。特に,博士論文では,派生形を含む自動詞文,他動詞文,受動文,使役文を彼女の方法論によって考察し,それぞれの文を意味論的に規定することができた。更には,次の論文でアスペクト形式とこの派生形の結びつきに基づき,この派生形を含む受動文を典型的な受動文と非典型的な受動文に分類することができた。
博士論文の研究を通じて,解決できなかった課題も多い。また,ヴォイス接尾辞‘-이-,-히-,-리-,-기-’が相補分布をなすかどうかも共時論的観点からだけでなく,通時論的観点からもおこなわなければならない。ヴォイス接尾辞が歴史を経て,どのように変化してきたかを考察することは,朝鮮語の造語論の変遷を究明することにもつながるものと信じている。更に,現代朝鮮語では動詞のヴォイスを派生する方法としてヴォイス接尾辞以外にも擬似接尾辞や分析的な形がある。これらの機能がはたしてヴォイス接尾辞の機能と一致するものなのか,相反するものなのかも考察する必要がある。もう少し進んで,現代朝鮮語も現代日本語も語彙の面や統辞論の面で似通った点が少なくない点を勘案すれば,現代朝鮮語と現代日本語の対照研究という研究領域も自ずと開けると考える。私は現代日本語と現代朝鮮語のどちらの知識もしっかりと備え,特にヴォイスに関わる日韓対照研究にも取り組みたいと考えている。

論文

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書籍等出版物

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  • 朴校熙, 木村春菜, 黄善英, 崔昌玉(担当:共著)
    白帝社  2011年7月 (ISBN: 9784863980419) 
  • 姜英淑, 印省熙, 黄善英, 林史樹, 呉順瑛, 朴校熙, 崔昌玉(担当:共著)
    白帝社  2009年11月 (ISBN: 9784891749965) 
  • 姜英淑, 印省熙, 黄善英, 林史樹, 朴校熙, 崔昌玉(担当:共著)
    白帝社  2008年10月 (ISBN: 9784891749477) 

講演・口頭発表等

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社会貢献活動

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