2020年3月
泥火山研究における地球化学の役割と課題
琉球大学理学部紀要
- 巻
- 号
- 108
- 開始ページ
- 1
- 終了ページ
- 26
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 速報,短報,研究ノート等(大学,研究機関紀要)
- 出版者・発行元
- 琉球大学理学部
泥火山研究における地球化学の役割は,流体の起源深度の推定を置いて他にないだろう.特に,一番深いところから来た物質の深度を知ることが,泥火山全体の噴出メカニズムを知る上では,欠かせない情報である.そのときに,用いるツールとして,化学反応の平衡を利用した地質温度計というのがある.大事なことは,平衡に達した固相と液相の両方を正しく把握することであり,今後の超深度掘削は,その“正しい地質温度計”を作成するのに,とてもよい機会だと言える.さらに,地質温度計で求まった温度情報を,深度情報に変えるためには,その場の“正しい地温勾配”を把握しておかなければならない.このように,泥火山研究においては,地球化学の他,地球物理,地質,微生物などの多様な研究者の知見の包括的な研究が必要である.したがって,これからさらなる泥火山コミュニティーの活性化が求められている.
- ID情報
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- ISSN : 0286-9640