2021年4月 - 2024年3月
HER2陽性胆嚢癌の遺伝子異常の包括的癌関連パスウェイ解析とその臨床的意義の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
令和3年度は、胆のう癌92症例に対して抗HER2抗体による免疫組織化学(HER2-IHC)を実施し、染色様式を観察した。HER2-IHCの診断基準が確立した癌腫としては、乳癌と胃癌が存在する。今回の胆嚢癌のHER2-IHCの観察から、胆嚢癌におけるHER2-IHCの診断基準は胃癌に準じることが妥当であると考えた。その理由として、①胃癌と同様にpapillary or tubular structuresの腫瘍細胞では特にbasolateral staining patternが観察されたこと、②Yoshidaらの報告では、Heterogeneity(基準:10-50%の腫瘍細胞が陽性)は2+症例の71%、3+症例の40%で観察され、Heterogeneityを有する症例の70%はinvasive areaよりもむしろmucosal lesions主体で陽性細胞が観察されたとしており、今回のわれわれの研究の胆嚢癌における3+や2+の症例においてもHeterojeneityが高頻度に観察され、この点も乳癌より胃癌に類似していることが挙げられた。
既存の胃癌と同様の診断基準を用いると、胆嚢癌92例中、IHCスコア3+が5例(5.4%)、IHCスコア2+が2例(2.2%)、IHCスコア1+が15例(16.3%)で認められた。
現在までに、IHCスコア2+の2例にHER2-FISH検査を実施したところ、1例がFISH陽性(2.3増幅あり)、1例がFISH陰性(0.9増幅なし)であった。
既存の胃癌と同様の診断基準を用いると、胆嚢癌92例中、IHCスコア3+が5例(5.4%)、IHCスコア2+が2例(2.2%)、IHCスコア1+が15例(16.3%)で認められた。
現在までに、IHCスコア2+の2例にHER2-FISH検査を実施したところ、1例がFISH陽性(2.3増幅あり)、1例がFISH陰性(0.9増幅なし)であった。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K08770
- 体系的課題番号 : JP21K08770