共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

生体内イメージングを応用した移植膵島可視化によるグラフト生着率改善の試み

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
19K18108
体系的課題番号
JP19K18108
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

2019年度は本研究の目的である「ICG蛍光法で肝内に移植された膵島を可視化し、確実な生検を実施すること」を目指し、膵島の最適なICG標識方法、および標識膵島の安全性を検証した。
ICG標識自家膵島移植モデルの作成:ICG標識自家膵島移植モデルを体重10kgから20kgの実験用ブタ計4頭を用いて以下の方法で作成した。全身麻酔下にブタの尾側膵切除(80%切除)を実施した。切除膵の主膵管から10mg/kgに調整したコラゲナーゼを注入し、ウミヒラチャンバーを用いて膵島を分離した。分離された膵島を2.5mg/mlのICGで単純共培養法により標識した。ICG標識膵島を脾静脈から挿入されたカテーテルより経門脈的に肝内に自家移植した。この時点でIRIシステムを用いて肝臓の蛍光確認部位と蛍光強度を記録し、タイムゼロポイントのICG標識膵島データとして記録した。
移植後の検体採取:移植後は連日の血液検体の採取と血糖測定を実施した。また移植後7日目および14日目に全身麻酔下に開腹し、IRIシステムを用いて標識膵島を観察した。いずれのポイントにおいても蛍光強度が保たれていることを確認した。また蛍光部位を生検し組織学的に標識膵島が生着していることを確認した。更に、既存の非標識膵島による自家移植群と血液検査データ、血糖値の推移を比較し有意な差が無いことを確認した。上記実験結果より、適切なICG標識方法が確定し、またICG標識膵島による自家移植が安全に施行可能であることを確認した。
膵島移植実験に関する情報収集:日本移植学会、ヨーロッパ移植学会、アジア移植学会に参加し、膵島移植研究に関する最新の知見を収集した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K18108
ID情報
  • 課題番号 : 19K18108
  • 体系的課題番号 : JP19K18108