MISC

2018年3月

学生の自閉スペクトラム症に見られる特徴と脳活動についての予備的研究

CAMPUS HEALTH
  • 大渓 俊幸
  • ,
  • 須藤 千尋
  • ,
  • 平野 好幸
  • ,
  • 大島 郁葉
  • ,
  • 松尾 幸治
  • ,
  • 清水 栄司
  • ,
  • 若林 明雄
  • ,
  • 今関 文夫

55
1
開始ページ
281
終了ページ
283
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(公社)全国大学保健管理協会

学生になってから自閉スペクトラム症(ASD)であることが明らかになるケースが少なからず存在し、ASDの多様な症状には認知機能障害が関与することが示唆されている。そこで今回、大学生になってからASDと診断された患者の認知機能や脳活動がASDの特徴的症状とどのように関係しているのか検討した。方法は、ASD患者14名を対象に、認知機能と関連する課題(語流暢性課題)遂行中の脳活動を光トポグラフィー(NIRS)で解析し、健常者14名と群間比較した。また、自閉症スペクトラム指数(AQ)や社会適応自己評価尺度、ウェクスラー成人知能検査の成績についても群間比較した。その結果、ASD群は健常群よりもASDの特徴を強く持っているだけでなく、「言語性IQ」と「言語理解」の能力が高いことが明らかになった。一方で「社会的適応」は健常群よりも低く、認知機能項目ごとの能力のバラツキが健常群に比べて大きかった。NIRSによる解析では、課題遂行中の脳賦活が健常群に比べて有意に小さかった。脳賦活の大きさとAQサブスケールとの相関性について検討した結果、「想像力の障害」スコアが負の相関を示した。

ID情報
  • ISSN : 1341-4313
  • eISSN : 2432-9460
  • 医中誌Web ID : 2019035230

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