講演・口頭発表等

2017年11月12日

精神障害者リハビリテーションとしてのクラブハウスに関する研究 -わが国のクラブハウスにおける過渡的雇用プログラムの実態について-

第18回 人間福祉学会 2017
  • 加藤大輔

記述言語
日本語
会議種別
口頭発表(一般)

クラブハウスモデルは、1940年代の米国での取り組みを起源としており、地域で生活している精神障害者のリハビリテーション、生活支援や就労支援を「クラブハウス国際基準」に基づいて包括的に実施している。特に就労支援は、1957年から「過渡的雇用プログラム(Transitional Employment program):以下TE」という独自の就労支援システムを行っており、米国だけではなく、わが国の精神保健福祉領域における就労支援にも影響を与えてきた。
本報告は、わが国のクラブハウスのTEの実態を把握するために、日本クラブハウス連合に加盟している5ヶ所のクラブハウス(東京都3ヶ所、岐阜県1ヶ所、奈良県1ヶ所)のTE担当職員に対して、2017年9月にヒアリング調査した結果を中心に行なった。
調査した結果、5ヶ所のクラブハウスはクラブハウス国際基準に従いTEを実施しており、クラブハウス利用者(メンバー)の外部で働くことの権利と機会を保障していた。しかし、各クラブハウスのTE数は1~2ヶ所であり、選択の幅の狭さ、TEを通しての就労経験の積み重ね、という点では充実しているとはいえないことが明らかになった。