2021年4月 - 2024年3月
IoT高度化のための階層的ベイズ学習・意思決定技術の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
今後の社会基盤に必須となる、IoT (Internet of Things) における高度な意思決定を可能とする意思決定技術を確立することを目的とし、脳科学の知見を用いる意思決定手法に関する研究を実施した。
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2021年度は、これまでに研究代表者が利用してきた、脳の情報処理モデルの一つであるベイジアンアトラクターモデルを、多種多様な情報を統合的に扱うために、分散して実施される意思決定を統合可能となるよう拡張した。はじめに、ベイジアンアトラクターモデルでは、脳の意思決定状態を表す隠れ変数を、複数のアトラクターを持つダイナミクスで表現している。認知の対象はこのアトラクターと一対一で結びつけられている。知覚した情報を元に、逐次的にこの状態変数をベイズ推定で更新することで、認知のプロセスがモデル化されている。提案した統合手法は、分散的に実施される意思決定タスクにおいて、「脳内の意思決定変数のダイナミクスにおけるアトラクターの数」と「アトラクターに記憶した情報が、認知すべきどの対象であるか」が共通化されていることを前提とする。元々のベイジアンアトラクターモデルでは、意思決定変数がどのアトラクターに近いものであるのかということが、観測方程式によって、アトラクターに記憶した認知すべき対象と結びつけられる。上記の前提をおくと、個々の意思決定の主体が観測する情報が異なったものであったとしても、意思決定の結果は「観測した情報が認知すべきどの対象に基づくものなのか」という情報で表現され、これはどの意思決定の主体にとっても共通の変数で表現される。この変数を意思決定の主体間で共有し、最終的な意思決定を実施する。
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2021年度は、これまでに研究代表者が利用してきた、脳の情報処理モデルの一つであるベイジアンアトラクターモデルを、多種多様な情報を統合的に扱うために、分散して実施される意思決定を統合可能となるよう拡張した。はじめに、ベイジアンアトラクターモデルでは、脳の意思決定状態を表す隠れ変数を、複数のアトラクターを持つダイナミクスで表現している。認知の対象はこのアトラクターと一対一で結びつけられている。知覚した情報を元に、逐次的にこの状態変数をベイズ推定で更新することで、認知のプロセスがモデル化されている。提案した統合手法は、分散的に実施される意思決定タスクにおいて、「脳内の意思決定変数のダイナミクスにおけるアトラクターの数」と「アトラクターに記憶した情報が、認知すべきどの対象であるか」が共通化されていることを前提とする。元々のベイジアンアトラクターモデルでは、意思決定変数がどのアトラクターに近いものであるのかということが、観測方程式によって、アトラクターに記憶した認知すべき対象と結びつけられる。上記の前提をおくと、個々の意思決定の主体が観測する情報が異なったものであったとしても、意思決定の結果は「観測した情報が認知すべきどの対象に基づくものなのか」という情報で表現され、これはどの意思決定の主体にとっても共通の変数で表現される。この変数を意思決定の主体間で共有し、最終的な意思決定を実施する。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K11845
- 体系的番号 : JP21K11845