2020年4月 - 2024年3月
生物の集団行動ダイナミクスの解明と自律分散型通信システムへの展開
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本研究課題では「生物の集団行動を自律分散型システムと捉えて実験的・数理的に研究し、その成果に基づいて高効率な通信方式を提案すること」を目的としている。この目的に従って、今年度は以下の課題に取り組んだ。
・課題1:先端的音響計測システムによる合唱構造解析
・課題2:空間構造を考慮した数理モデリング
・課題3:無線センサネットワークにおける高信頼性に関する応用研究
まず課題1では、特定の周波数成分に反応して明滅を繰り返す音声識別装置「カエルホタル 2」とマイクロフォンアレイを田んぼに並べる野外調査を実施し、ニホンアマガエルの合唱構造を繰り返し計測した。また、マイクロフォンアレイを用いた半無響室における室内実験を実施し、スズムシの鳴き声を繰り返し計測した。以上のデータを解析し、種に応じた合唱構造の変化を分析したほか、ニホンアマガエルについては空間配置と合唱構造の関係性を定量化した。次に課題2では、近接個体との距離に応じて行動を変化させる数理モデルの構築を進め、集団全体の振る舞いを数理的に分析した。特に、異なる密度を想定した数値シミュレーションを進め、密度依存で集団全体の行動特性が変化する知見を得た。最後に課題3では、カエルの位相モデルを拡張し、近接端末間で効率的にパケット衝突を避けるアルゴリズムの構築を進めた。上記の成果のうち、音声識別装置の開発に関する成果を査読付き学術論文1編として公表したほか、動物行動学会、生態学会、関連セミナーでの講演4回をおこなった。
・課題1:先端的音響計測システムによる合唱構造解析
・課題2:空間構造を考慮した数理モデリング
・課題3:無線センサネットワークにおける高信頼性に関する応用研究
まず課題1では、特定の周波数成分に反応して明滅を繰り返す音声識別装置「カエルホタル 2」とマイクロフォンアレイを田んぼに並べる野外調査を実施し、ニホンアマガエルの合唱構造を繰り返し計測した。また、マイクロフォンアレイを用いた半無響室における室内実験を実施し、スズムシの鳴き声を繰り返し計測した。以上のデータを解析し、種に応じた合唱構造の変化を分析したほか、ニホンアマガエルについては空間配置と合唱構造の関係性を定量化した。次に課題2では、近接個体との距離に応じて行動を変化させる数理モデルの構築を進め、集団全体の振る舞いを数理的に分析した。特に、異なる密度を想定した数値シミュレーションを進め、密度依存で集団全体の行動特性が変化する知見を得た。最後に課題3では、カエルの位相モデルを拡張し、近接端末間で効率的にパケット衝突を避けるアルゴリズムの構築を進めた。上記の成果のうち、音声識別装置の開発に関する成果を査読付き学術論文1編として公表したほか、動物行動学会、生態学会、関連セミナーでの講演4回をおこなった。
- ID情報
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- 課題番号 : 20H04144