共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

熱可塑性CFRPと異種材との融着界面ナノ粒子傾斜相の創製とその挙動評価

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
17K06070
体系的課題番号
JP17K06070
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
4,810,000円
(直接経費)
3,700,000円
(間接経費)
1,110,000円

本研究は,生産性や耐衝撃性および再利用性に優れる熱可塑性CFRPと異種材との融着接合の高度化を実現する革新的な材料設計とそのプロセスを提案し,異種材と熱可塑性CFRPの融着界面現象の解明を目的としている.具体的には,熱可塑性CFRP間および異種材との融着界面にナノ粒子傾斜相を創製するよう,開繊や織物の炭素繊維を抵抗発熱体として用いて通電加熱による熱エネルギーを利用して融着面の樹脂を溶融させる接合技術を開発する.また,抵抗発熱体に通電した際に生じる問題点である熱可塑性CFRPへの漏電等の回避方法や安定した加熱条件を探索し,熱可塑性CFRPおよび異種材間の融着接合部のせん断強度評価を実施することを目指している.
本年度は,熱可塑性CFRPの異種材融着接合を行うために,織物炭素繊維を抵抗発熱体に用いて,織物CF/PPS積層板と一方向CF/Ep積層板の異種材接合を実施した.また,融着接合中に抵抗発熱体の炭素繊維からCFRP積層板中の炭素繊維に通電する「漏電」を抑制するために,織物ガラス繊維や一方向ガラス繊維を抵抗発熱体の最外層に配置し,漏電を抑制することで均一加熱と樹脂溶融挙動の安定化を試みた.その結果,ガラス繊維を抵抗発熱体に配置した場合では,通電挙動が安定し,接合面を均一に加熱できることが分かった.また,一方向ガラス繊維の繊維方向を引張せん断方向に配置した場合では,融着層が引張方向に強化されたため,接合強度が約2.2倍に向上することが分かった.今後は,ガラス繊維のみならず,ナノ粒子等の複合化により,抵抗発熱体の絶縁性および熱伝導性の向上と,破面・断面観察による微視観察が必要である.一方,熱硬化性CFRPの接合面にアンカー効果を付与するために,熱硬化性CFRPの接合面をレーザー照射し,表層のエポキシ樹脂を除去することで接合部のアンカー効果を発現することが可能となった.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K06070
ID情報
  • 課題番号 : 17K06070
  • 体系的課題番号 : JP17K06070

この研究課題の成果一覧

論文

  1

MISC

  2

講演・口頭発表等

  1