2018年4月 - 2021年3月
概日リズムの時刻情報変換に関わる神経回路動作原理の理解
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
概日時計中枢である視交叉上核からの出力経路を同定するため、昨年度までは順行性のトレーシング、光遺伝学を用いた細胞操作により、室傍核CRF神経の活性化により覚醒が誘導されることを明らかにした。本年度は、室傍核CRF神経特異的に、蛍光カルシウムプローブである、GCaMP6を発現させ、光ファイバーを挿入し、REM, NREM睡眠、覚醒の各ステージにおけるカルシウム変動を計測した。室傍核CRF神経の活動は、覚醒時に上昇し、REM, NREM睡眠時には低下する事が明らかとなった。さらに、CRF神経の活動は、覚醒の初期に上昇するが、その後の覚醒の間に徐々に活動が低下していった。この結果は、室傍核CRF神経は、覚醒を誘導するが、その維持には必要ではないことが明らかになった。
次にDREADDを用いて、室傍核CRF神経特異的に神経活動を抑制する試みを行った、CNOをマウスの活動が高くなる暗期直前に投与し、神経活動の抑制を行った。コントロールは生理食塩水の投与とした。その結果、CNOの投与により、暗期の覚醒量が減少し、NREM睡眠が上昇した。さらに、ジフテリアトキシンA断片を用い、室傍核CRF神経特異的な神経脱落を行い、自発行動量の計測を行った。その結果、室傍核CRF神経の選択的な脱落により、マウスの自発行動量の低下が認められた。これらの結果は、室傍核CRF神経が覚醒に関わることをサポートする結果である。
次にDREADDを用いて、室傍核CRF神経特異的に神経活動を抑制する試みを行った、CNOをマウスの活動が高くなる暗期直前に投与し、神経活動の抑制を行った。コントロールは生理食塩水の投与とした。その結果、CNOの投与により、暗期の覚醒量が減少し、NREM睡眠が上昇した。さらに、ジフテリアトキシンA断片を用い、室傍核CRF神経特異的な神経脱落を行い、自発行動量の計測を行った。その結果、室傍核CRF神経の選択的な脱落により、マウスの自発行動量の低下が認められた。これらの結果は、室傍核CRF神経が覚醒に関わることをサポートする結果である。
- ID情報
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- 課題番号 : 18H02477
- 体系的課題番号 : JP18H02477