基本情報

所属
立教大学 国際化推進機構 日本語教育センター 教育講師
国立国語研究所 共同研究員
学位
学士(東北大学)
修士(東京外国語大学)
博士(東京外国語大学)

J-GLOBAL ID
201901019142961600
researchmap会員ID
B000357869

★ひつじ書房さんから著書『現代日本語の逸脱的な造語法「文の包摂」の研究』が刊行されました。

ご興味のある方はぜひお手に取っていただけますと幸いです。

書籍情報(X/Twitter)

まえがき

目次・詳細

 

【研究】

 専門:日本語学(語彙論)

 新しい語がどのように形成されるのか(語形成論・造語論)、品詞でいうと名詞(複合名詞・派生名詞)に関心があります。 特に、一般的な規則を逸脱する特異な語形成に関心があり、語形成と逸脱性の関係について研究をしています。具体的には、次のような言語表現(複合名詞・派生名詞の前項が文相当の要素であるもの)を研究対象とし、主にコーパスを用いた用例の収集と実例の記述に基づく考察を行っています。

「振り込め詐欺」「母さん助けて詐欺」「やってみなはれ精神」「ウルトラ!ゼンリョク!幻のポケモンをもらおうキャンペーン」「バカヤロウ解散」「いいねボタン」「困ったな状態」「早く帰れオーラ」「どっちなんだよ問題」「あったらいいな程度」「今すぐ辞めろ発言」「当たって砕けろ作戦」「遊んで遊んで攻撃」「俺すごいだろアピール」「やっちまったな感」「私頑張ってます風」「かまってちゃん」など種々の用例が観察されます。

 「句の包摂」の延長上にある「文の包摂」とも言うべき当該の言語現象について研究を進めています。述べ切られているわけではありませんし、語構成要素になっているので、厳密に言えば「文」ではありませんが、便宜的に「”文”の包摂」と呼んでいます。

 これまでは現代日本語を研究の対象としていましたが、最近は歴史的な観点からも「文の包摂」現象を見たいと考えております。例えば、「内にもご覧ぜさせよ顔」(今昔物語集)のような用例があります。

 現代語「おいてけぼり」の語源である「置いてけ堀」は、江戸時代から本所にある池の名前です。その池で釣った魚を持って帰ろうとすると、「置いてけ~置いてけ~」という声が聞こえてきたこと(本所七不思議)に由来してこのような名前がついたそうです。これも一種の「文の包摂」ではないかと思われます。

 さらに、通言語的に見ると、英語には、I don’t know face, Save-the-WHALES campaign, 'We love Anne DIAMOND' partyのように、日本語の「文の包摂」に類する現象も見られます。他の言語でもこのような逸脱的な造語が可能なのかもしれません(韓国語、チュルク諸語などでも可能なようです)。

 これまでは主にいわゆる「打ち言葉」における実例収集を中心に行っていましたが、最近は会話データなどでも実例を集めています。会話の中ではどのように「文の包摂」が作られ、用いられているのか興味があります。 相互行為言語学にも興味があり、相互行為の中でこうした言語表現がどのように生まれ、使われ、そして消えていくのかについても関心があります。

【自己紹介】

仙台出身です。アメリカのカリフォルニア大学、タイのチュラロンコン大学、台湾の東呉大学に留学し、英語、タイ語、中国語を学びました。

留学を通して、言語学・日本語学の世界に興味を持ち、学部卒業後は企業で勤務するかたわら勉強し、大学院に入学しました。


研究キーワード

  2

経歴

  16

論文

  12

MISC

  2

書籍等出版物

  2

講演・口頭発表等

  19

担当経験のある科目(授業)

  34

共同研究・競争的資金等の研究課題

  4

メディア報道

  5