2017年4月 - 2020年3月
東日本大震災を踏まえた応急仮設住宅「熊本型デフォルト」の検証
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
・熊本地震後に発生した九州北部水害(2017),西日本水害(2018),北海道地震(2018)で建設された応急仮設住宅に関して調査を行った.これらの仮設住宅は熊本型デフォルトを参考にした部分も多く,「どの点が継承されたのか」を検証することで,熊本型デフォルト以降の仮設住宅で一般化されている進化点が明らかになった.
<BR>
・仮設住宅団地の住戸配置計画の例外事例に着目して調査を行った.熊本型デフォルトでは一定数の仮設住宅を良好な配置計画下で集約的に建設することを念頭としているが,一方で元居住地に近い場所に分散して仮設住宅を配置することのメリットも指摘されている.嘉島町では熊本地震の仮設住宅では例外的に集落(自治会)ごとの分散配置が実現しており,その成立背景や実態について調査を行った.調査の結果,仮設住宅建設の適地となる一定規模の広場が,各集落の運動公園として整備されていたことが,集落(自治会)ごとの仮設建設が実現につながったことが明らかになった.また,仮設住宅が分散配置された場合にはその居住者支援の労力増大が課題となるが,従来から実践されていた自治会単位での地域包括ケアの枠組みに新たに仮設住宅も組み込むことで,震災前後の連続した居住支援が労力を増大させることなく実現していたことが分かった.
<BR>
・仮設住宅団地の住戸配置計画の例外事例に着目して調査を行った.熊本型デフォルトでは一定数の仮設住宅を良好な配置計画下で集約的に建設することを念頭としているが,一方で元居住地に近い場所に分散して仮設住宅を配置することのメリットも指摘されている.嘉島町では熊本地震の仮設住宅では例外的に集落(自治会)ごとの分散配置が実現しており,その成立背景や実態について調査を行った.調査の結果,仮設住宅建設の適地となる一定規模の広場が,各集落の運動公園として整備されていたことが,集落(自治会)ごとの仮設建設が実現につながったことが明らかになった.また,仮設住宅が分散配置された場合にはその居住者支援の労力増大が課題となるが,従来から実践されていた自治会単位での地域包括ケアの枠組みに新たに仮設住宅も組み込むことで,震災前後の連続した居住支援が労力を増大させることなく実現していたことが分かった.
- ID情報
-
- 課題番号 : 17H03366