講演・口頭発表等

Sr-90分析の迅速化を目的とした放射線エマルジョングラフト重合によるクラウンエーテル誘導体担持Sr吸着繊維作製の検討

日本分析化学会第65年会
  • 堀田 拓摩
  • ,
  • 浅井 志保
  • ,
  • 半澤 有希子
  • ,
  • 斎藤 恭一*
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  • 藤原 邦夫*
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  • 須郷 高信*
  • ,
  • 北辻 章浩

開催年月日
2016年9月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
札幌
国・地域
日本

福島第一原子力発電所事故により発生した汚染水中の$^{90}$Srの迅速分析が求められている。これまで、放射性Csについては迅速回収のための吸着繊維が、放射線グラフト重合技術に基づき作製され実用化されている。本研究では、Cs吸着繊維と同様に、繊維表面に付与した高分子鎖にSr吸着物質を高密度に担持する技術を適用して$^{90}$Sr分析の迅速化が可能か検討した。更に、長い高分子鎖が得られる放射線エマルジョングラフト重合法(グラフト重合)、並びに自由な成形性をもつ繊維構造に着目し、Sr吸着容量を向上させ、Sr分離操作の簡略化とSr溶出操作の省略を可能とし、放射線測定に最適なSr吸着繊維の作製を検討した。ポリエチレン繊維を基材として、グラフト重合によりメタクリル酸グリシジルを重合した。さらに、オクタデシルアミンを結合し繊維表面の疎水性を高め、疎水性相互作用によりジシクロヘキサノ-18-クラウン-6-エーテルを担持したSr吸着繊維を作製した。Sr吸着実験の結果から、Sr吸着繊維は既存のSr吸着材料と遜色ない吸着容量を示したことから、Sr吸着繊維は$^{90}$Srの迅速分析への適用性が高いと結論した。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5056475