論文

査読有り 筆頭著者
2020年6月

グラスファイバー補強高強度コンポジットレジンブリッジ治療のケースシリーズ研究

東北大学歯学雑誌
  • 原田 章生
  • ,
  • 江草 宏

37/38/39
2/1-2/1
開始ページ
17
終了ページ
25
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)
出版者・発行元
東北大学歯学会

グラスファイバーと高強度コンポジットレジン(CR)から成る3ユニットブリッジ(FRCブリッジ)は、厚生労働省の定める先進医療から2018年4月に医療保険制度の保険診療に導入されたが、その歴史はまだ浅く、治療トラブル例からその有効性を検討することは重要である。本ケースシリーズ研究では、東北大学病院がFRCブリッジ治療の先進医療導入以前に取り組んだ6症例を対象とし、装着1年後までに発生したトラブルおよび支台装置の厚みに着目した調査を行った。装置装着直後および1年経過時における患者口腔内の診査、写真、石膏模型および問診から、トラブルの有無および満足度を評価した。全6症例における生活支台歯(8歯)と失活支台歯(4歯)の支台装置厚みに有意差は認めなかったが、支台装置小窩裂溝部の厚みは、生活支台歯の方が失活支台歯よりも薄い傾向にあった。発生したトラブルは、補綴装置CR部の軽微破損(2症例)および歯根破折による装置の除去(1症例)であった。軽微破損を認めた2症例は共に生活支台歯で、支台装置中心窩の厚みは1.0mmと不十分であった。その他1症例に装置の軽微な着色を認めた。治療に対する満足度は概ね良好であった。以上の結果から、FRCブリッジは、医療保険制度における金属製ブリッジの代替として有用であるが、歯質削除量の確保が困難な生活歯等、支台装置の厚みが薄くなる症例には推奨できないことが示された。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0287-3915
  • 医中誌Web ID : U918500003

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