2019年8月 - 2021年3月
イヌ腫瘍の免疫抑制機構阻害剤の放射線増感効果における臨床研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
本研究は、犬腫瘍細胞株を用いてX線照射によって犬の腫瘍の免疫回避機構(Programmed Cell Death-Ligand 1(PD-L1))が誘導することを示した。症例分析において、犬の悪性黒色腫を対象に、放射線治療と抗PD-L1抗体の併用療法において肺転移の進行が遅延する傾向が認められ、放射線照射が抗腫瘍免疫を活性化することが示された。以上から、放射線治療によって腫瘍の免疫回避機構が誘導され、免疫応答による抗腫瘍効果が相殺され、治療効果が減弱されていることが示唆された。また、誘導された免疫回避機構を阻害することで、免疫療法を補う新しい放射線増感治療が実践できることが期待された。
- ID情報
-
- 課題番号 : 19K23702
- 体系的課題番号 : JP19K23702