2017年6月
JAEAにおける鉛ビスマス腐食試験ループと腐食試験の現状
NEA/CSNI/R(2017)2 (Internet)
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- 開始ページ
- 195
- 終了ページ
- 200
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
原子力機構において研究が進められている加速器駆動システム(ADS: Accelerator Driven System)では、核破砕ターゲット及び炉心冷却材として鉛ビスマス共晶合金(LBE; Lead-Bismuth Eutectic)が採用される。将来のADSやJ-PARCに建設が計画されている、ADSターゲット実験施設(TEF-T)の実現には、LBEに関する多くの解決すべき課題がある。特に、T91(改良9Cr-1Mo鋼)やSUS316Lなどの鋼材に関して、400-550$^{\circ}$Cの温度範囲で酸素濃度制御下かつLBE流動下の腐食データは不可欠である。原子力機構では高温での腐食データを得るために、"OLLOCHI (Oxygen-controlled LBE LOop Corrosion tests in HIgh-temperature)"と名付けられた新しい腐食試験ループを設計・製作した。高温部配管はT91製で、加熱器や膨張タンク容器は2.25Cr-1Mo鋼製である。これら高温部の最高温度は550$^{\circ}$Cである。低温部は配管、機器類ともにSUS316L製で、これら低温部の最高温度は450$^{\circ}$Cである。2016年春までにOLLOCHIは、加熱器や試験片交換ボックスなどの改造と、LBE無しでの調整運転を終えた。酸素センサーと酸素濃度制御システムは間もなく導入され、その後LBE有りでの調整運転と酸素濃度制御試験を開始する予定である。さらに来春までに分岐した試験部それぞれにも流量計が付加される予定である。これらの試験や改造と平行して、試験片ホルダー内の流れの分布を明らかにするため、試験部の流動解析を行う予定である。