2019年3月
証明支援系Coqを用いた有界モデル検査アルゴリズムの検証
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO)
- ,
- 巻
- 12
- 号
- 3
- 開始ページ
- 1
- 終了ページ
- 1
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)
有界モデル検査(bounded model checking,BMC)は,システム(状態遷移系)と性質を述語論理式にエンコードし,その充足性をSAT/SMTソルバーで判定することにより,システムの安全性を示したり,不具合を見つけたりするための方法である.さまざまなBMCアルゴリズム(BMC法)が提案されているが,それぞれの方法は,実行パスのunrolling,実行パスに関する帰納法,状態の抽象表現など煩雑な考察に基づいて設計されている.BMC法の設計や実装にあたっては,背景の考察を理解して正確に行わなければ,検査器の信頼性が損なわれてしまう.そこで本研究では,高信頼なBMCツールの実現を目標に,BMC法および背景となる考察を証明支援系を用いて記述・検証し,さらに前記BMC法の記述をそのまま用いて検査を実施可能にする.具体的には,証明支援系Coq上にSheeranらが提案したBMC法を実装し,その健全性を証明し,プラグインされたSMTソルバーを利用して検査を実施可能にした.本研究の貢献は,(1) Sheeranらが提案した複数のBMC法とその健全性の証明をCoqで記述・形式化するとともに,一般的なBMC法へ流用可能な関数や定理を同定・整備したこと,(2)システム,性質,BMC法,その健全性の証明,SMTソルバーの入出力等をCoq上で記述し,検査対象システムの記述,システムの検査,BMC法の正しさの検証といった作業を統合したこと,の2点である.
- リンク情報
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- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/170000180465
- ID情報
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- ISSN : 1882-7802
- CiNii Articles ID : 170000180465
- identifiers.cinii_nr_id : 9000404481917