共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

進化的に妥当な統語演算理論の構築ー学際的研究を目指してー

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
20J20039
体系的課題番号
JP20J20039
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
1,300,000円
(直接経費)
1,300,000円
(間接経費)
0円

■本研究の目的は、言語進化の問題を問えるような統語理論を構築することである。この目的のために、以下の①と②のように研究内容を下位分類化し、最終的にそれぞれを統合するような③の研究を目指している。
①言語の発話行為的側面がどのようにして構築されるのかについて、日本語の終助詞を手がかりに、生成文法・形式意味論・形式語用論の手法を用いて研究する。特に、「わ」「よ」「ね」「さ」という終助詞の形式的振る舞いを体系立てて説明することを試みた。また、これらの終助詞が生起する談話状態や、終助詞と文末音調の関係などを体系的に探究した。
②発話行為を構築するような言語表現が音声化を受ける際、どのような制約を受け、その結果どのような仕方で音声的実現が決定されるのかを、音韻論の理論を基盤に研究する。特に①の研究を拡張し、終助詞が担う発話行為的機能を具に明らかにすることで、問題となっている制約の本性に迫った。また、昨年の研究成果の延長として対比話題の談話構造・統語構造と、①の終助詞との連関を包括的に探究した。その上で、日本語・英語・フランス語・イタリア語・ジョージア語・スペイン語などの関連事象を類型論的に研究した。
③以上で明らかになった言語の特徴を、他種や人間の他の認知能力と比較し、その進化シナリオを構築する。特に②に関連する「話題化」と呼ばれる現象について、その前駆体を霊長類の警戒音に求めるような研究を行なった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20J20039
ID情報
  • 課題番号 : 20J20039
  • 体系的課題番号 : JP20J20039