共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年6月 - 2022年3月

TGF-βファミリーによる細胞分化とダイバーシティー獲得の分子基盤

日本学術振興会  科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
17H06326
体系的課題番号
JP17H06326
配分額
(総額)
178,880,000円
(直接経費)
137,600,000円
(間接経費)
41,280,000円

1) 脳腫瘍幹細胞の分化と多様性誘導の分子機構: PRRX1はBMP-4の刺激によって脳腫瘍幹細胞で発現が上昇することがRNA-seqによって確認された。PRRX1のshRNAを用いたノックダウンにより脳腫瘍幹細胞はBMP-4存在下でも分化せず、 CD133 (PROM1) 陽性の幹細胞の増加が見られた。PRRX1はPROM1遺伝子のプロモーター領域に直接結合してCD133の発現を制御していることが確認できた。マウス脳内同所性移植により、PRRX1をノックダウンした脳腫瘍細胞は造腫瘍能が亢進し、マウスの生存期間は短縮することが明らかとなった。
2) 各種がん細胞由来のがん幹細胞の比較と多様性誘導機構の解析: マウス膵臓への同所性移植で得られた細胞株が幹細胞様特質を特徴的に発現することから、その分子メカニズムの解析をクローン化した細胞を用いて行った。その結果、膵臓組織での生存や増殖に適した細胞が「選択」されるだけでなく、膵臓組織の微小環境から何らかのシグナルが入ることで「教育」が起こっていると考えられた。また腎臓への同所性移植により腎臓がん細胞株を樹立し、膵臓への同所性移植と同様に、特徴的な形質を発現することが明らかとなった。
3) マウスES細胞のBMPによる分化と多様性誘導機構: ES細胞におけるSmadのゲノム上の局在をChIP-seqで検討した結果、エンハンサー領域以外にもSmadの結合が認められた。ヘテロクロマチン形成に関係した因子をSmad1との相互作用の有無でスクリーニングした結果、Smadと結合するヒストン脱メチル化酵素を同定した。この因子が発現抑制に関係する転写産物に関して、Smadが存在することで発現誘導されることをトランスクリプトームデータの再解析で確認した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PLANNED-17H06326
ID情報
  • 課題番号 : 17H06326
  • 体系的課題番号 : JP17H06326

この研究課題の成果一覧

論文

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メディア報道

  4