2018年4月 - 2022年3月
臨床応用に向けた多施設データによる統合失調症前駆期における皮質下構造の特徴の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
4施設(富山大学、東邦大学、東北大学、および東京大学)で連携して収集した107例の精神病発症危険状態 (at-risk mental state: ARMS) 群および104例の健常対照群のMRIデータを対象に、画像解析ソフトFreeSurfer (ver.5.3) を用いて、大脳皮質下構造の群間比較を行った。ARMS群全体においては、左側優位の側脳室・尾状核・淡蒼球の体積増加と右側坐核の体積減少を認め、精神病性障害への脆弱性を表す所見と考えられた。未服薬のARMS群64例においても同様の所見が得られ、また皮質下諸核の体積値と服薬量との間に有意な相関が得られなかったため、これらの所見は抗精神病薬による交絡だけでは説明されないと考えられた。上記の主要成果をまとめ、Schizophrenia Bulletin誌に原著論文として公表した(Sasabayashi et al., in press)。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K15509
- 体系的課題番号 : JP18K15509