2016年4月 - 2021年3月
統合失調症前駆期における自我障害の病態解明と早期診断への応用
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
Minnesota Multiphasic Personality Inventory(MMPI)の項目を用いて自我障害尺度を開発した。項目を決めるに有意水準について,p値が0.05未満で有意な差があったとするこれまでの検定では,サンプル数が大きくなる程,統計的に有意となりやすいという問題点があるため,本研究ではサンプルサイズによって変化することのない,標準化された指標である効果量を用いて有意水準を決定した。
尺度の信頼性にはクロンバックのα係数を用いて項目間の内的一貫性を検討し、高い信頼性が確認された。項目作成で用いられた群とは別の統合失調症患者群における自我障害尺度の得点とFRSの得点の自我障害得点との相関を調べ、高い妥当性が認められた。
本尺度を用いて、Ultra High Risk(UHR)群、初発エピソード統合失調症群(FES)群、慢性統合失調症群(ChSz)群、健常群の得点を比較したところ、臨床群では健常群と比べて有意に得点が高く、臨床3群間に有意差は認められなかった。さらに、UHR群については、統合失調症に移行したUHR-T群,2年以上の追跡で未発症であったUHR-NT群に分けて検討を加えた所、UHR-T群はUHR-NT群と比べ有意に得点が高かった。本研究より本尺度の信頼性,妥当性が確認された。また本尺度によって評価される自我障害は顕在発症に先行して出現する可能性が示唆された。さらに本尺度が、一級症状の自我障害のように明確ではない、軽微あるいは閾値下の自我障害を検出しうることが示唆された。
尺度の信頼性にはクロンバックのα係数を用いて項目間の内的一貫性を検討し、高い信頼性が確認された。項目作成で用いられた群とは別の統合失調症患者群における自我障害尺度の得点とFRSの得点の自我障害得点との相関を調べ、高い妥当性が認められた。
本尺度を用いて、Ultra High Risk(UHR)群、初発エピソード統合失調症群(FES)群、慢性統合失調症群(ChSz)群、健常群の得点を比較したところ、臨床群では健常群と比べて有意に得点が高く、臨床3群間に有意差は認められなかった。さらに、UHR群については、統合失調症に移行したUHR-T群,2年以上の追跡で未発症であったUHR-NT群に分けて検討を加えた所、UHR-T群はUHR-NT群と比べ有意に得点が高かった。本研究より本尺度の信頼性,妥当性が確認された。また本尺度によって評価される自我障害は顕在発症に先行して出現する可能性が示唆された。さらに本尺度が、一級症状の自我障害のように明確ではない、軽微あるいは閾値下の自我障害を検出しうることが示唆された。
- ID情報
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- 課題番号 : 16K04349
- 体系的課題番号 : JP16K04349
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
Journal of Psychiatric Research 147 212-220 2022年 査読有り筆頭著者