講演・口頭発表等

2023年6月29日

CDK4/6阻害剤の治療成績とその後治療の検討

第31回日本乳癌学会学術総会
  • JA広島総合病院 乳腺外科 大原正裕 板垣友子 梶谷桂子

記述言語
日本語
会議種別
ポスター発表
開催地
横浜市

背景)ホルモン受容体陽性転移再発乳癌において、CDK4/6阻害剤による臨床試験の結果が明らかになり、ホルモン療法にCDK4/6阻害剤を併用することが全生存期間改善に寄与することが示されている。しかし、CDK4/6阻害剤治療の後治療については、確立された治療法はない。
目的)当院におけるホルモン受容体陽性転移再発乳癌においてCDK4/6阻害剤の治療成績の検討と、CDK4/6阻害剤後治療の治療成績を後ろむきに検討を行う。
方法)2017年11月から2022年12月までにCDK4/6阻害剤を使用したホルモン受容体陽性転移再発乳癌62例において後治療を含めた治療成績を検討した。
結果)CDK4/6阻害剤を使用した62例の年齢の中央値は64歳(31-86歳)。アベマシクリブ(ABE)を14例、パルボシクリブ(PAL)を48例に使用した。治療ライン数の中央値は2であり(1-8)、1stが 30例(ABE 12例, PAL 18例)、2nd が16例(ABE 2例, PAL 14例)、3rdが以降16例(PAL16例)であった。転移部位は内臓転移を伴わない症例が24症例であり、61%の症例に内臓転移を伴っていた。31例が2022年12月時点で治療継続中であるが、CDK4/6阻害剤の無増悪生存期間(PFS)の中央値は27.5ヶ月であり、治療ラインの相違はあるが、ABEとPALにPFSに差を認めなかった。副作用によりPAL症例は長期投与例で全例減量をおこなっており、ABE症例は11例(71%)に減量を行った。PAL症例1例に間質性肺炎による治療中止を認めている。
CDK4/6阻害剤後の治療は、32例中化学療法・分子標的治療が15例、内分泌療法が17例で行われていた。化学療法・分子標的治療と内分泌療法による奏効率は化学療法・分子標的治療が75%で内分泌療法が25%であった。しかし、PFSに有意な差はなく中央値は8.0ヶ月・6.5ヶ月であった。後治療の違いによりCDK4/6阻害剤後の全生存期間にも差を認めなかった。
考察と結論)実臨床においてもCDK4/6阻害剤は臨床試験と同等の治療効果を示し、減量を行うことにより副作用を制御でき治療が継続可能であった。後治療は選択による偏りがあるものの治療法による予後の差は認めなかった。ホルモン受容体陽性転移再発乳癌においてCDK4/6阻害剤は重要な治療薬である。