太田川森林域からの溶存態$^{137}$Cs流出特性評価
放射能環境動態・影響評価ネットワーク共同研究拠点2019年度年次報告会
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- 開催年月日
- 2020年3月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 福島(online)
- 国・地域
- 日本
森林流域から河川を通じて流出する溶存態$^{137}$Csの起源の一つとして、リター分解に伴う$^{137}$Csのリターからの溶出が考えられている。本研究では直接的にリター分解が溶存態$^{137}$Csの発生源として寄与していることを示すために、植物などが微生物による分解を経て形成されるフミン質(腐植物質)に着目し、フミン質と溶存態$^{137}$Cs濃度の関係を評価した。浪江町と南相馬市に位置する太田川上流の森林流域の10地点において、2017年4月から2019年8月まで(2019年4月以降は7地点)、河川水を月1程度の頻度で採水した。サンプルは実験室にて0.45$\mu$mのメンブレンフィルターでろ過後、溶存態$^{137}$Cs濃度及びフミン質様蛍光強度を測定した。河川水中のフミン質様蛍光強度と流域沈着量で規格化した溶存態$^{137}$Cs濃度は正の相関(R$^{2}$=0.17, p$<$0.001)を示し、森林流域から発生する溶存態$^{137}$Csは、リター分解に伴って溶出していることが示唆された。