2018年4月 - 2022年3月
労働者の休養が心身の健康に与える影響についての総合的疫学研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
まず第一に,前年度行った対象企業への質問票調査のデータの電子化を行った上で,加えて同意の得られた企業における健康診断データ等について電子的結合作業を行い,横断的な解析を実施した。解析を行った内容としては,まずは各企業ごとの調査データに基づく,各種健康指標の特徴の解析をおこなった。これらの解析については対象企業毎に調査結果を詳細にわたり報告を行って,産業保健活動への活用を行った。更に,調査結果について集計・統計解析を行った。ストレスや生活習慣病(健診データ)や職務遂行能力と休養評価尺度との関連を多変量解析等を用い解析を行った。絶対的プレゼンティーズムを目的変数としたモデルでは,休養評価尺度の合計点が30点以下(低品質休養)を基準とした場合,31~38点(中品質休養)の調整オッズ比は1.89(95%信頼区間1.41-2.53),39点以上(高品質休養)の調整オッズ比は2.40(95%信頼区間1.53-3.76)であり,休養の質と絶対的プレゼンティーズムは有意な関連を認めたp<0.001)。相対的プレゼンティーズムを目的変数としたモデルにおいても,30点以下を基準とした場合,31~38点の調整オッズ比は1.64(95%信頼区間1.20-2.24)であり,休養の質と相対的プレゼンティーズムは有意な関連を認めた(p=0.007)。労働者におけるプレゼンティーズムは休日の日数と独立した「休養の質」と関係があることが示された。労働者のプレゼンティーズムの向上に関して,労働環境や休日の日数管理のみならず,休養の質についても考慮することが重要である可能性が示唆された。
第二に,「休養」と健康に関する先行研究について系統的レビューについて作業を進めた。まず準備段階として先行類似研究を調査することを進めた。先行研究の調査により,休養の概念をどのように評価・統合すればよいのかについて検討を重ねた。
第二に,「休養」と健康に関する先行研究について系統的レビューについて作業を進めた。まず準備段階として先行類似研究を調査することを進めた。先行研究の調査により,休養の概念をどのように評価・統合すればよいのかについて検討を重ねた。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K10067
- 体系的課題番号 : JP18K10067