論文

2010年9月

術前に診断可能であった癒着胎盤の1例

現代産婦人科
  • 小島 洋二郎
  • ,
  • 衛藤 英理子
  • ,
  • 小國 信嗣
  • ,
  • 林 裕治
  • ,
  • 江尻 孝平

59
1
開始ページ
73
終了ページ
76
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
中国四国産科婦人科学会

近年帝王切開による出産の比率が増加している事は周知の事実である。これに伴い次回妊娠時の前置胎盤の頻度が増加し、診断・治療に苦慮する前置癒着胎盤に遭遇する機会が珍しく無くなってきた。今回我々は術前に前置癒着胎盤を強く疑い、可能な限り準備を行った症例を経験した。具体的には児娩出後の大量出血および子宮全摘出術も考慮して他科と連携し、術前に自己血貯留を行い更に輸血を十分に準備し、尿管ステント挿入や両側総腸骨動脈バルーンカテーテル留置を施行した。ところが入念な準備の上で帝王切開とそれに続く後壁からの逆行性子宮摘出を施行したにもかかわらず、左側総腸骨動脈バルーンカテーテルが破損し、術中に強出血を起こし術後にも尿管腟瘻を発症した。今回の症例で経験した問題点とその改善点として、まず児娩出後子宮筋が下方に強固に収縮し胎盤が術操作の障害になる事は子宮底部横切開の検討が挙げられる。また総腸骨動脈のバルーン破損による不十分な止血効果には最適な塞栓部位・カテーテルの材質・遮断時間の考慮が必要である。短時間に大量出血している緊迫した状況下で迅速かつ的確な操作が求められることには準備を整え、様々な工夫をして対応するべきと考えた。(著者抄録)

リンク情報
URL
https://search.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&pub_year=2010&ichushi_jid=J05038&link_issn=&doc_id=20101026450016&doc_link_id=40017360436&url=https%3A%2F%2Fci.nii.ac.jp%2Fnaid%2F40017360436&type=CiNii&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00003_1.gif
URL
https://search.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&pub_year=2010&ichushi_jid=J05038&link_issn=&doc_id=20101026450016&doc_link_id=%2Fcv0mtrob%2F2010%2F005901%2F016%2F0073-0076%26dl%3D0&url=https%3A%2F%2Fwww.medicalonline.jp%2Fjamas.php%3FGoodsID%3D%2Fcv0mtrob%2F2010%2F005901%2F016%2F0073-0076%26dl%3D0&type=MedicalOnline&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00004_2.gif
ID情報
  • ISSN : 1882-482X
  • 医中誌Web ID : 2011021294

エクスポート
BibTeX RIS