2-メルカプトピリジン{\it N}-オキシドによるイオン液体への3価金属イオンの抽出挙動
平成29年度日本分析化学会関東支部若手交流会
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- 開催年月日
- 2017年7月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 那須塩原
- 国・地域
- 日本
2-メルカプトピリジン{\it N}-オキシド(HSPyO)は、ハードなOとソフトなSをドナー原子に持つ2座配位子である。HSPyOは有機溶媒だけではなくイオン液体(IL)に対しても溶解性が高いことから、ILキレート抽出における抽出剤としての利用可能性が期待される。本研究では、3価金属イオンである13族金属イオン(Al(III), Ga(III)およびIn(III))について、カチオンの疎水性が異なる1-アルキル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド([C$_{n}$mim][Tf$_{2}$N], n=2,4,8)を抽出溶媒として用い、HSPyOによるILへのキレート抽出挙動を調べた。金属間での抽出選択性はIn(III) $>$ Ga(III)の順となり、Al(III)は全く抽出されず、HSPyOは比較的ソフトなIn(III)に有利に働くことがわかった。溶媒間で抽出能を比較すると、Ga(III)の抽出においてILs $>$クロロホルムとなり、この系ではILの方が抽出能は高いことがわかった。また、抽出化学種はどの金属も無電荷錯体M(SPyO)$_{3}$であることが示唆された。