2015年4月 - 2017年3月
細胞骨格によるシナプス伝達制御機構の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B)
- 課題番号
- 15K18349
- 体系的課題番号
- JP15K18349
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
-
- (総額)
- 4,290,000円
- (直接経費)
- 3,300,000円
- (間接経費)
- 990,000円
- 資金種別
- 競争的資金
本研究は、シナプス伝達における細胞骨格の役割と、その制御機構の解明を目的とする。申請者は特にシナプス小胞エンドサイトーシスおよび小胞リサイクリング機構に着目し、高頻度・長時間のシナプス伝達維持における細胞骨格の機能的役割を、ラットcalyx of Heldシナプスおよび電気生理学的手法を用いて解析した。
本年度は、αシヌクレインの微小管重合作用による小胞エンドサイトーシス阻害について、シナプスの成熟との関連性を調べた。その結果、幼若なシナプスにおいてもαシヌクレインが微小管を介したエンドサイトーシス阻害作用を示すことが明らかとなった。一方で、家族性パーキンソン病関連αシヌクレインミュータントA53Tをシナプス前末端に注入したところ、幼若期においては微小管非依存的なエンドサイトーシス阻害作用を示したが、成熟後は作用を示さなかった。
また、微小管重合作用が知られている微小管関連蛋白タウについて、同様に小胞エンドサイトーシスへの作用を調べた。タウ蛋白をシナプス前末端内に注入すると、小胞エンドサイトーシスは強く阻害された。タウ蛋白同様微小管重合作用を示すタキソールもまた、エンドサイトーシスを阻害した。これら阻害作用は微小管重合阻害剤ノコダゾールによって消失した。以上より、αシヌクレイン同様、タウ蛋白が微小管重合を介して小胞エンドサイトーシスを阻害することを解明した。
次に、微小管脱重合のシナプス伝達への作用について、高濃度のノコダゾールをシナプス前末端内に注入することで調べた。ノコダゾールは小胞エキソサイトーシス・エンドサイトーシスには直接作用しなかったが、高頻度刺激による小胞枯渇後の回復時間を著しく遅延させた。また、同様の遅延効果は、他の重合阻害剤ビンブラスチンによっても確認された。以上より、微小管の重合・脱重合がシナプス伝達に重要であることを明らかにした。
本年度は、αシヌクレインの微小管重合作用による小胞エンドサイトーシス阻害について、シナプスの成熟との関連性を調べた。その結果、幼若なシナプスにおいてもαシヌクレインが微小管を介したエンドサイトーシス阻害作用を示すことが明らかとなった。一方で、家族性パーキンソン病関連αシヌクレインミュータントA53Tをシナプス前末端に注入したところ、幼若期においては微小管非依存的なエンドサイトーシス阻害作用を示したが、成熟後は作用を示さなかった。
また、微小管重合作用が知られている微小管関連蛋白タウについて、同様に小胞エンドサイトーシスへの作用を調べた。タウ蛋白をシナプス前末端内に注入すると、小胞エンドサイトーシスは強く阻害された。タウ蛋白同様微小管重合作用を示すタキソールもまた、エンドサイトーシスを阻害した。これら阻害作用は微小管重合阻害剤ノコダゾールによって消失した。以上より、αシヌクレイン同様、タウ蛋白が微小管重合を介して小胞エンドサイトーシスを阻害することを解明した。
次に、微小管脱重合のシナプス伝達への作用について、高濃度のノコダゾールをシナプス前末端内に注入することで調べた。ノコダゾールは小胞エキソサイトーシス・エンドサイトーシスには直接作用しなかったが、高頻度刺激による小胞枯渇後の回復時間を著しく遅延させた。また、同様の遅延効果は、他の重合阻害剤ビンブラスチンによっても確認された。以上より、微小管の重合・脱重合がシナプス伝達に重要であることを明らかにした。
- リンク情報
- ID情報
-
- 課題番号 : 15K18349
- 体系的課題番号 : JP15K18349