2018年4月 - 2021年3月
癌間質による癌の生物学的性格の制御および癌誘発の検討
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
- 課題番号
- 18K09789
- 体系的課題番号
- JP18K09789
- 担当区分
- 研究分担者
- 配分額
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- (総額)
- 4,550,000円
- (直接経費)
- 3,500,000円
- (間接経費)
- 1,050,000円
- 資金種別
- 競争的資金
本研究の目的は、口腔癌の間質が癌細胞に作用して、癌の生物学的性質を変化させることの検証、および、癌間質が癌の周囲の正常細胞に働きかけて癌化を引き起こす可能性を検証することである。平成30年度では口腔扁平上皮癌細胞株と間質細胞の組合せによる培養、腫瘍間質の違いによる腫瘍細胞の生物学的性格(増殖能、浸潤能、遊走能、形態)に与える影響を検討した。腫瘍細胞株は高浸潤癌:HSC-2、低浸潤癌:SAS、対照細胞: HaCaT細胞を用いた。間質組織は岡山大学病院手術摘出材料から高浸潤癌症例、低浸潤癌症例を選定して用いた。由来の異なる癌間質を癌細胞株と共培養し、また同複合体をマウス皮下に移植した。その結果、腫瘍組織は癌の間質の違いによって大きくその性状を変化させることが示された。培養系を用いた検討では共培養する間質細胞の違いにより癌細胞に対する遊走、増殖能が変化することが明らかになった。癌細胞と間質複合体の移植実験では組織学的および免疫組織化学的検討を行い、癌細胞の増殖と分化の様相が間質細胞によって影響されることが明らかになった。また、移植実験系では当初予想していなかった非常に特殊な間質細胞の動態が明らかになった。この点については次年度以降さらに追及していく予定である。本年度の研究結果は、癌間質が直接的に癌の生物学的性格を調節していることを組織学的に明らかにしている。この研究結果は癌間質に注目した癌の治療戦略に結び付く非常に重要な成果である。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K09789
- 体系的課題番号 : JP18K09789