基本情報

所属
三重大学 大学院 医学系研究科 集中治療部 准教授
(兼任)災害救急医療・高度教育研究センター 副センター長
学位
医学博士(三重大学 分子病態学)

連絡先
a-2kawamotomed.mie-u.ac.jp
研究者番号
20577415
ORCID iD
 https://orcid.org/0000-0003-3920-9939
J-GLOBAL ID
201701008994743807
researchmap会員ID
B000282525

外部リンク

研究紹介


臨床研究医としての取り組み

三重県津市出身。臨床研究医として、Bench to Bedside(基礎研究から臨床応用へ)の橋渡しを目指した研究活動と、次世代臨床研究医の育成に取り組んでいます。

 


基礎研究

重症患者における過剰炎症と免疫麻痺の病態解明を目指して

  1.  細胞外小胞と多臓器不全の関連
     重症患者血漿中に豊富に存在する細胞外小胞(Extracellular Vesicles, EVs)に着目し、これらがインテグリン高発現を介して低血圧や腎不全などの臓器障害と相関することを報告しました。また、SIRS患者血液中にPD-L1/L2陽性EVsが存在することを明らかにしました。(Kawamoto, Shock 2018)

  2. エクソソーム接着機能の解明
     エクソソーム表面のインテグリン機能を、ビーズ固定エクソソームを用いた接着アッセイにより検証しました。(Kawamoto, Methods Mol Biol. 2021)

  3. トロンボモジュリンの新規抗炎症作用の発見
     トロンボモジュリン(TM)が白血球β2インテグリン(LFA-1、Mac-1)のリガンドであることを発見し、その抗炎症効果を報告しました。(Kawamoto, BBRC 2016, 2019)さらに、TMのレクチンドメイン(ドメイン1)がFibronectinと結合することを示し、乳がん細胞株での結合抑制効果を明らかにしました。(Kawamoto, Biomedicines 2021)

  4. 心停止患者における可溶性PD-L1の役割
     院外心停止(OHCA)患者の血中に高濃度の可溶性PD-L1(sPD-L1)が存在することを発見し、免疫疲弊や臓器障害との関連性を示唆しました。(Miho Sumiyoshi, J Clin Med. 2021)

  5. 救急医学へのDrug Delivery System(DDS)応用研究
     エクソソーム上インテグリンを標的とした、新たなDDS開発に取り組んでいます。(科研費基盤C 18K08917)
  6. 骨格筋-脳コミュニケーション異常と敗血症関連脳症
     敗血症性脳症発症メカニズムにおける骨格筋由来エクソソームの役割を探索しています。(科研費国際共同研究加速基金 19KK0224)
  7. 敗血症・重症COVID-19における免疫麻痺の機構解明
     エクソソームPD-L1を介した免疫抑制機序に注目し、敗血症後期の易感染性悪化メカニズムを解明する研究を推進しています。(科研費基盤C 21K09015)

 

 

 


臨床研究

ICUの医療資源最適化と患者アウトカム向上を目指して

 

  1. ICUにおけるコミュニケーション量の定量化
     ウェアラブルセンサー(株式会社日立製作所®)を用いて医療従事者間コミュニケーション量を測定し、患者重症度(APACHE II、SOFAスコア)と有意な相関を示しました。また、Social Network Analysis(SNA)によりICU内コミュニケーション構造の可視化も実施しました。(伊藤・川本ら Am J Respir Crit Care Med. 2019、Kawamoto Front Med (Lausanne) 2020, J Med Internet Res 2020)

  2. 勤務形態と幸福度に関する研究
     ハピネスセンサー(日立製作所®)を用い、ICUスタッフの勤務中幸福度を測定。不規則勤務が幸福度に与える影響を、東京工業大学との共同研究により分析しました。分散型リーダーシップ導入が心理的負担軽減に寄与することも明らかにしました。(Esumi, Ito-Masui, Kawamoto, Interact J Med Res 2023)

  3. 院内急変対応システムの構築と教育活動
     聖マリアンナ医科大学・三重大学における院内急変対応体制の構築に貢献。特に、POCUS(Point of Care Ultrasound)を活用したハイブリッドシミュレーショントレーニングを推進しています。(児玉ら 日本プライマリ・ケア連合学会 2017、Journal of Medical Safety 2015)
  4. 一般病棟における安全な気道確保の推進
     医療安全の観点から、病棟での気道確保手技の最適化に関する研究を行っています。(川本 日本臨床麻酔学会誌 2012)
  5. Virtual Realityを活用した疼痛管理
     ICU患者への新たな疼痛治療法として、VR技術応用に着手。医工連携による新技術導入を推進しています。(江角・川本ら J Med Case Rep. 2020)
  6. ICU熱傷患者におけるせん妄予測モデル構築
     ICU熱傷患者を対象とした機械学習モデルにより、せん妄発症を高精度(AUC: 0.906±0.073)で予測。主要因子として尿量、好酸球数、年齢、好塩基球数、フィブリノーゲン値を特定しました。(江角・船尾・川本ら JMIR Form Res 2025)

 

 

 

 


学歴

  2

主要な論文

  89

MISC

  230

書籍等出版物

  4

共同研究・競争的資金等の研究課題

  24

その他

  6