論文

2016年1月

都市における独居高齢者の健康意識と食生活の現状

日本健康・栄養システム学会誌
  • 早瀬 須美子
  • ,
  • 山中 克己
  • ,
  • 松下 英二
  • ,
  • 伊藤 勇貴
  • ,
  • 安友 裕子
  • ,
  • 庄司 吏香
  • ,
  • 須崎 尚
  • ,
  • 井形 昭弘

15
2
開始ページ
33
終了ページ
40
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本健康・栄養システム学会

目的:都市における独居(一人暮らし)高齢者の健康意識と食生活の現状を明らかにする。方法:名古屋市内の、3地域の老人クラブなど地域団体の高齢者を対象に、留め置き法によるアンケート調査を実施した。調査内容は健康状態、食行動、食事内容、食生活に対する自己評価および改善意欲とした。対象者を男性同居者、男性独居者、女性同居者、女性独居者の4グループに分けて検討した。結果:436名の調査協力を得た。このうち、70歳以上の301名(男性69名、女性232名)について解析した。男性同居者は58名、男性独居者は11名、女性同居者は134名、女性独居者は98名であった。独居者の割合は全体では36.2%(男性15.9%、女性42.2%)であった。居住条件「同居、独居」により食事摂取に差が認められた。特に男性がその影響を強く受けていた。食事内容として、主食(ごはん、麺、パンなど)、主菜(肉、魚、卵、大豆など)、副菜(野菜炒め、サラダ、お浸しなど)の3つのそろった食事を、バランスの良い食事と定義した。男性独居者は朝食と昼食については栄養バランスを崩している傾向が伺えた。夕食についても、栄養バランスのとれている割合は男性同居者、女性同居者および独居者は約90%であったが、男性独居者の割合は82%であり、やや低かった。果物および乳製品を毎日摂っている割合は男性独居者で低かった。さらに、男性独居者は外出頻度、食料品の買物、調理頻度が少なく、外食の割合が高い傾向にあり、食事に対する自己評価および改善意欲も低かった。しかし、食事に対する自己評価が高い男性独居者は、3食とも副菜を摂取している割合が有意に高く、反対に低い者は、共食頻度、乳製品の摂取が有意に低かった。健康感については、健康度が良いと答えた割合は、男性独居者では低く、食事に対する改善意欲も低かった。しかし、肥満頻度については、男性同居者、女性同居者、女性独居者では肥満の者が14-21%であるのに対し、男性独居者の肥満者は居なかった。結論:男性独居者の食事内容は栄養学的にバランスを崩している傾向にあった。さらに食事に対する自己評価および改善意欲も低かった。(著者抄録)

リンク情報
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http://ci.nii.ac.jp/naid/40020723631
CiNii Books
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URL
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ID情報
  • ISSN : 2432-3438
  • 医中誌Web ID : 2016280378
  • CiNii Articles ID : 40020723631
  • CiNii Books ID : AA12447402

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