共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

我が国の都道府県別健康アウトカムの比較リスク評価とその活用に関する包括的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K10082
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

本研究は国レベルではなく都道府県別の保健アウトカムの危険因子を包括的に詳細分析する試みである。①都道府県別の各種危険因子の分布及びその推移の推計し、②都道府県別の保健アウトカム指標への各種危険因子の寄与割合を推定する。また、③分析結果をより多くの研究者や一般の方が利用できるようにデータのビジュアル化を行う。
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危険因子に関する入手できる限りのデータと最新の統計手法を駆使して包括的に分析を行った。2017年における我が国の全死亡に寄る疾病負荷のうち、46.6%は危険因子が同定可能であった。行動様式に由来するリスクが31.4%、代謝リスク24.9%、環境および職業上のリスクが6.1%であった。同様に、障害も鑑みた疾病負荷(DALYs:障害調整生命年)のうち38.0%は危険因子が同定可能であった。行動様式に由来するリスクが25.7%、代謝リスク17.8%、環境および職業上のリスクが6.3%であった。都道府県別に見ても、顕著な違いは見られず、全国的に代謝系リスクに寄る疾病負荷(死亡及びDALYs)が増大している。特に高血圧、高血糖、高BMI、高LDLコレステロールリスクの寄与が大きい。一方、行動リスクの中では喫煙と不健康な食習慣(高塩分、低穀物、低果物)が、全ての都道府県において主要な健康の危険因子であった。喫煙は死亡・DALYsどちらにおいても、疾病負荷に繋がる危険因子の第一位であった。
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また、広く研究者や市民社会へ研究成果の還元や疾病負荷研究の活用を推進する目的で、国内外のセミナー(国立がん研究センター主催の国際がん研究機関との第3回合同セミナー)やシンポジウム(韓国保健社会研究院(KIHASA)主催の社会保障フォーラム:The 19th Global Social Security Forum)で講演を行なった。

ID情報
  • 課題番号 : 18K10082