1994年 - 1994年
情報化と芸術・都市
日本学術振興会 科学研究費助成事業 重点領域研究
本班では、情報化を電子技術の高度化という観点から促え、19世紀以来、ほぼ1世紀を通じて電子的なテクノロジーが社会に様々な形態で浸透し、芸術やデザインから日常意識や生活表現に至るまでの文化のありようも変容させてきた過程を、歴史的な縦断面と比較社会論的な横断面から促え返そうとしてきた。このような観点から情報化と文化変容のかかわりを分析していこうとするとき、取り扱われるべき課題は広範囲にわたるが、我々がとくに焦点を当てようとしてきたのは次の2点である。
第1に、我々が課題として取り組んだのは、こうした電子技術の高度化のなかでのデザインの変容という問題である。コンピュータ・テクノロジーの社会的普及に伴い、コンピュータ・ミュージックやコンピュータ・グラフィックスに代表される音響や画像のデザインはもちろん、衣服や家電製品から住居や自動車までのモノのデザインをも含め、現代のデザイン表現の変容について考察した。また、このようなデザインの現代的変容は、前世紀以来の複製技術の発展、とりわけ電子的な複製技術の発展に伴うデザインの変容過程のなかでどのように把握され得るのかについても分析を進めた。
第2に、我々は、電子技術を国家や産業が利用するのではなく、社会が自らを組織化していくために使いこなしていくような可能性が、歴史的にどのようにして現れ、また現在、どのような形で存在しているのかを検討した。そのために我々は、一方ではパソコン通信やミニFMを使って市民的な活動をしている人々からのヒアリングを行い、他方では、そうした社会の自生的なネットワークが、これまで電子技術をどのように使いこなしてきたのかをメディア発展の歴史的な過程のなかで考えた。
第1に、我々が課題として取り組んだのは、こうした電子技術の高度化のなかでのデザインの変容という問題である。コンピュータ・テクノロジーの社会的普及に伴い、コンピュータ・ミュージックやコンピュータ・グラフィックスに代表される音響や画像のデザインはもちろん、衣服や家電製品から住居や自動車までのモノのデザインをも含め、現代のデザイン表現の変容について考察した。また、このようなデザインの現代的変容は、前世紀以来の複製技術の発展、とりわけ電子的な複製技術の発展に伴うデザインの変容過程のなかでどのように把握され得るのかについても分析を進めた。
第2に、我々は、電子技術を国家や産業が利用するのではなく、社会が自らを組織化していくために使いこなしていくような可能性が、歴史的にどのようにして現れ、また現在、どのような形で存在しているのかを検討した。そのために我々は、一方ではパソコン通信やミニFMを使って市民的な活動をしている人々からのヒアリングを行い、他方では、そうした社会の自生的なネットワークが、これまで電子技術をどのように使いこなしてきたのかをメディア発展の歴史的な過程のなかで考えた。
- ID情報
-
- 課題番号 : 04211102
- 体系的番号 : JP04211102