共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2022年3月

ステロイド産生能に着目した原発性アルドステロン症の新規治療戦略

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K09205
体系的課題番号
JP18K09205
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

原発性アルドステロン (aldo) 症 (PA) はaldo産生腺腫 (APA、通常片側性) あるいは特発性aldo症 (IHA、両側性) に大別され、それぞれ副腎摘除術およびミネラロコルチコイド受容体阻害薬治療が行われる。CTはAPAを検出するがaldoを産生しない腫瘍 (偶発腫) をAPAと誤診する。したがって副腎摘除術の候補症例には全例に副腎静脈サンプリング(AVS)が必要である。近年我々は、aldo合成酵素の免疫染色に成功し、偶発腫とAPAの病理学的鑑別は可能となった(J Clin Endocrinol Metab 2010;95,2296-305)。
本研究では「ステロイド産生能に着目したPAの新規治療戦略」を研究課題として、PA診療の質向上に関わる検討を行っている。2018年度は、219例の片側性PAの診断で副腎摘除術を施行した症例の臨床情報と副腎組織を用いた後ろ向き解析を行った (詳細は昨年の「研究実績の概要を参照」)。2019年度は、この論文化を行った (2020年6月現在、英文医学誌に投稿中)。
以前われわれは成人の正常副腎皮質被膜下に、aldoを産生するクラスター (0.2 - 1 mm、APCCと新規命名) が多発することを報告した。APCCは50歳までは加齢とともに増加・増大し (Int J Endocrinol 2016;7834356)、IHAの病巣にもなることが判明しつつある。2019年度はAPCCが50歳以降は老化とともに縮小・減少することを報告した (J Steroid Biochem Mol Biol 2019;191,105361)。これはAPCCによるIHAは老化とともに改善すること、あるいはAPCCによるIHAは早く死亡する、ということを示唆するのかもしれない。
以上のように現在2点の研究成果が得られている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K09205
ID情報
  • 課題番号 : 18K09205
  • 体系的課題番号 : JP18K09205

この研究課題の成果一覧

論文

  1

講演・口頭発表等

  3