2009年9月5日
山地森林小流域における直接流出量の定量的解析
水文・水資源学会誌
- ,
- 巻
- 22
- 号
- 5
- 開始ページ
- 342
- 終了ページ
- 355
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.3178/jjshwr.22.342
- 出版者・発行元
- THE JAPAN SOCIETY OF HYDROLOGY AND WATER RESOURCES
山地森林流域の直接流出特性の解明のため,東京大学千葉演習林・袋山沢試験地(北緯 35°12',東経 140°06', 2 ha)を対象に,イベント降水量・初期流量と直接流出量の関係を解析した.対象流域の地質は新第三紀層に属し,年平均降水量は2170 mm ,年平均気温は 14.2 ℃である.植生は1929年植栽のスギ・ヒノキ人工林で, 1999年春に試験地の一部(1.1 ha)が皆伐された.イベント降水量が大きいほど,また初期流量が大きいほど直接流出量は大きかった.イベント降水量・初期流量と直接流出量の関係式として3パラメータの関数を定式化した.この関係式を用いて直接流出量を良い精度(<I>R</I><font size="1">2</font> >0.94)で推定できた.直接流出量に対するイベント降水量・初期流量の効果は相乗的であると考えられた.植生の皆伐によって関係式のパラメータは変化した.直接流出量に対する植生の影響は中規模(100 mm 程度)の降雨イベントの時に相対的に大きくなると考えられた.初期流量と直接流出量の関係が伐採によって変化するのは,伐採によって流域の水分分布特性が変化するためであると考えられた.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.3178/jjshwr.22.342
- ISSN : 0915-1389
- CiNii Articles ID : 10025316728
- identifiers.cinii_nr_id : 9000004569962