2007年8月1日
千葉袋山沢流域における伐採による月流出量変化
日本森林学会誌
- ,
- 巻
- 89
- 号
- 4
- 開始ページ
- 278
- 終了ページ
- 287
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.4005/jjfs.89.278
- 出版者・発行元
- 一般社団法人日本森林学会
東京大学千葉演習林袋山沢流域(北緯35°12',東経140°06')において対照流域法による森林皆伐実験が行われた。 A流域(0.802ha)を基準流域,B流域(1.087ha)を処理流域とした。地質は新第三紀層に属し,年平均降水量は2,170mm,年平均気温は14.2℃である。伐採前の植生は両流域ともに約70年生のスギ・ヒノキ人工林で,B流域は1999年春に伐採され,2000年にスギ・ヒノキが植栽された。伐採後3年間のB流域の月流出量は増加した。月流出増加量は3.6〜54.7mm,平均26.1mmであった。月流出増加量は月降水量と強い正の相関があった。また月流出増加量と月降水量の関係には季節変動があり,冬の方が夏よりも相対的に月流出増加量が大きかった。月流出増加量の降水量依存性は樹冠遮断蒸発に,季節依存性は蒸散・地表面蒸発に由来すると考えられた。伐採による蒸発散各成分の変化量を推定すると,蒸散・地表面蒸発合計の変化量よりも樹冠遮断蒸発の変化量の方が大きかった。そのため蒸発散全体の変化の季節変動はほとんど樹冠遮断蒸発の変化の季節変動によって規定されていることがわかった。
- リンク情報
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- DOI
- https://doi.org/10.4005/jjfs.89.278
- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/110006882886
- CiNii Books
- http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA12003078
- ID情報
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- DOI : 10.4005/jjfs.89.278
- ISSN : 1349-8509
- CiNii Articles ID : 110006882886
- CiNii Books ID : AA12003078
- identifiers.cinii_nr_id : 9000004569962