薬剤師によるセルフメディケーションの推進が期待され喫煙防止教室が開催されているが、薬学生による試みの報告はない。高校生を対象に年齢の近い薬学生が構成、実施した「喫煙防止教室」の効果について検討した。高校生58名(男:13名、女:45名)を対象に、アサーションを用いたロールプレイを導入し薬学生と高校生とのコミュニケーションを重視した喫煙防止教室を実施した。指導内容は事前の生活環境調査アンケート結果をもとに構成した。教室実施による喫煙リスクの変化を「加濃式社会的ニコチン依存度質問票(以下KTSNDと略す)」を主としたアンケートにより評価した。KTSNDスコアは教室実施前9.3±4.0から実施後6.9±4.0と有意に減少した(mean±SD、p<0.001)。受講者の印象に残ったこととして、断り方、アサーション、ロールプレイの割合が高く、全員が「満足」「少し満足」と回答した。以上より、薬学生による喫煙防止教室はKTSNDスコアを有意に減少させることが示された。(著者抄録)