2018年4月 - 2022年3月
中世禅林における黄山谷詩解釈史研究―五山版書入れと漢文抄との比較検討から
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
本研究は、宋代の詩人、黄庭堅(号は山谷)の詩集である、五山版『山谷黄先生大全詩註』・『山谷詩集注』における書入れのうち、禅僧の号等が冠された説を対象とする。これら山谷詩五山版書入れを、現存する山谷詩漢文抄、万里集九『帳中香』、月舟寿桂『山谷幻雲抄』、彭叔守仙『山谷詩集注』の説と照合・精査することにより、いかに五山版の書入れが山谷詩漢文抄に取り入れられたか、あるいは山谷詩漢文抄の説が五山版に書き入れられたのかについて検討することにより、本邦禅林における山谷詩の説の継承と展開について、山谷詩漢文抄のみならず、その前後を含めた、より長いスパンで明らかにすることを目的とする。
平成30年度において、主な調査対象としたのは、西尾市岩瀬文庫蔵『山谷詩集注』における書入れである。岩瀬文庫蔵本の書入れに冠される禅僧の号が、現存する最古の山谷詩漢文抄『帳中香』の抄者である万里よりも古い年代の禅僧ばかりであるため、岩瀬文庫蔵本の書入れ時期が、現存する山谷詩漢文抄の成立よりも以前であろうことに着目した。さらにこの書入れを、現存する山谷詩漢文抄である万里集九『帳中香』、月舟寿桂『山谷幻雲抄』、彭叔守仙『山谷詩集注』と比較検討することで、いかに書入れが山谷詩漢文抄に取り入れられ、いかに展開したかを想定した。
その成果を「西尾市岩瀬文庫蔵五山版『山谷詩集注』における書き入れについて─黄山谷詩漢文抄との関わりから―」の題目で、日本宋代文学学会第5回大会(5月26日、慶応義塾大学日吉キャンパス)において口頭発表し、未刊行ではあるが、論文も執筆した。
平成30年度において、主な調査対象としたのは、西尾市岩瀬文庫蔵『山谷詩集注』における書入れである。岩瀬文庫蔵本の書入れに冠される禅僧の号が、現存する最古の山谷詩漢文抄『帳中香』の抄者である万里よりも古い年代の禅僧ばかりであるため、岩瀬文庫蔵本の書入れ時期が、現存する山谷詩漢文抄の成立よりも以前であろうことに着目した。さらにこの書入れを、現存する山谷詩漢文抄である万里集九『帳中香』、月舟寿桂『山谷幻雲抄』、彭叔守仙『山谷詩集注』と比較検討することで、いかに書入れが山谷詩漢文抄に取り入れられ、いかに展開したかを想定した。
その成果を「西尾市岩瀬文庫蔵五山版『山谷詩集注』における書き入れについて─黄山谷詩漢文抄との関わりから―」の題目で、日本宋代文学学会第5回大会(5月26日、慶応義塾大学日吉キャンパス)において口頭発表し、未刊行ではあるが、論文も執筆した。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K12284
- 体系的課題番号 : JP18K12284
この研究課題の成果一覧
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論文
2-
日本漢文学研究 (17) 41-59 2022年3月 査読有り
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日本中国学会報 72 176-190 2020年10月 査読有り