共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年10月 - 2023年3月

人体温熱生理応答への微気象の影響解明とモデル化

日本学術振興会  科学研究費助成事業 学術変革領域研究(B)  学術変革領域研究(B)

課題番号
20H05753
体系的課題番号
JP20H05753
配分額
(総額)
14,170,000円
(直接経費)
10,900,000円
(間接経費)
3,270,000円

前年度から継続して、人体の組織構成を考慮した詳細な人体モデルを用い、暑熱環境に対する人の温熱応答に関する大規模から、予測データを取得する。具体的には、1mmの空間分解能を有する人体モデルに対して複合物理解析を実施、太陽光についてはマクスウェル方程式を、熱計算には熱拡散方程式を時間領域差分法により離散化し、スーパーコンピュータ上で分析した。ボランティア実験より得られたデータと、解析の対比より、深部温度の時間変化のばらつきについて検討を行った。
また、複数の機械学習モデルを活用して、大規模計算で得られた必要パラメータ群からなる縮約モデルの構築に向けた検討した。縮約モデルとしては、機械学習を活用した統計縮約モデルおよび伝熱蓄熱過程を考慮した物理縮約モデルの2種類を想定し、モデル化を行った。ここで、深部体温の一度の上昇が熱中症リスクの目安と考えられる。このことから、詳細な熱中症リスク評価のためには 深部体温を 0.1 度の精度で推定することを目指した。前年度では典型的な気象データに基づいた検討であったが、今年度では微気象の時空間データに拡張し、現実に即した人体温熱モデル計算を多数実行することにより、教師データを生成した。長・短期記憶、回帰型ニューラルネットワークを用いた低次元・人体温熱応答予測モデルを構築することにより、汎用 PC でミリ秒オーダーでの予測を行えることを確認、時間軸上ではやや時間遅れがみられるなどの課題が残るものの、有用性を確認した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PLANNED-20H05753
ID情報
  • 課題番号 : 20H05753
  • 体系的課題番号 : JP20H05753