共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2023年3月

出芽酵母を用いた肥満制御因子ACBPの細胞外放出機構の研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業  若手研究

課題番号
21K15093
体系的番号
JP21K15093
配分額
(総額)
4,550,000円
(直接経費)
3,500,000円
(間接経費)
1,050,000円

現代社会において、肥満率の増加は世界的な問題となっている。ごく最近になって、哺乳動物においてAcyl-CoA-binding protein (ACBP)の細胞外放出量が肥満をコントロールしている可能性が示唆された。しかしながら、ACBPがどうやって細胞外へ放出されているのか、その分子機構はほとんど分かっていない。そこで本研究では出芽酵母の遺伝学を用いてACBP放出経路の解明を目標とした。
我々のこれまでの研究により、酵母のACBP放出に関わる遺伝子群の一次スクリーニングが完了している。同定した遺伝子群には細胞膜ストレス応答に必要なRim101経路や膜のリモデリングに必要なESCRT遺伝子群が含まれていた。一方で、他グループの先行研究で関与が示唆されていたオートファゴソーム形成に関連した遺伝子群は、我々のスクリーニング結果には含まれていなかった。
そこでまず当研究では、ACBP放出とオートファジー経路の関係を調べることとした。オートファジーの各ステップに機能する遺伝子群を欠損した変異株を用いてACBP放出を誘導し、培養上清を回収してACBP放出活性を調べた。その結果、オートファジー関連遺伝子群の欠損株でもACBPが放出されていることが示唆された。また、Rim101経路に関わる遺伝子の欠損株ではACBP放出活性が低下していることが明らかとなった。これらの結果は一次スクリーニングの結果と整合性が取れる結果であった。このことから、ACBP放出にはオートファジー経路ではなくRim101経路が関与している可能性が示唆された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K15093
ID情報
  • 課題番号 : 21K15093
  • 体系的番号 : JP21K15093