共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年10月 - 2025年3月

移民・難民の子どもを包摂する文化的に適切な教育と社会統合に関する国際比較研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))  国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))

課題番号
20KK0044
配分額
(総額)
18,720,000円
(直接経費)
14,400,000円
(間接経費)
4,320,000円

今年度はパンデミックの影響により予定していた海外フィールドワークを実施できなかったが、代わりに以下の作業を進めることでプロジェクトを前進させた。
第一に、国内調査に注力し、都立高校を対象としたアンケート調査票(「都立学校に在籍する外国につながりのある生徒の学習と進路状況に関する調査」)を作成した。日本語指導の必要な生徒の間にみられる高い高校中退率および低い大学等進学率が問題になっているが(文科省 2018)、中等教育段階における移民背景のある生徒の実態は十分に把握できていない。今回企画した調査はそうしたデータ不足を埋める試みであり、調査対象者に日本国籍者であるが片親が外国籍である、いわゆる国際児/ハーフ/ダブルとよばれる生徒も含めることで、包括的に移民背景のある高校生の実態を把握できるように設計した。
第二に、海外研究者との交流についてはストックホルム大学の研究者とオンライン会議やメールを通じて頻繁に議論を重ねている。ストックホルム大学では中等教育段階における中途退学の国際比較調査を企画しており、本研究とのコラボレーションを検討した。上記のアンケート調査票には、中途退学に関する国際比較が可能になるよう、スウェーデン国内調査と同じ質問項目を含むことにした。ストックホルム大学の研究者が企画したワークショップに研究代表者の額賀と分担者の高橋が共同研究者として複数回参加し、発表へのコメントを行った。
第三に、オンラインで入手可能なメディア記事をもとに、長期化するパンデミックが公教育と移民生徒に及ぼした影響に関してアメリカとイギリスの状況を整理し、論点を抽出した。本成果は2021年発刊の『異文化間教育』54号に掲載される予定である。

ID情報
  • 課題番号 : 20KK0044

この研究課題の成果一覧

論文

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MISC

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  • 額賀美紗子, 三浦綾希子, 髙橋史子, 徳永智子, 金侖貞, 布川あゆみ, 角田仁
    「外国につながる生徒の学習と進路状況に関する調査報告書―都立高校アンケート調査の分析結果―」 2022年10月  

講演・口頭発表等

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