講演・口頭発表等

自然放射性核種を含む廃棄物の放射線防護に関する専門研究会,3; 今後取り組むべき重要な課題; ラドンと評価の不確実性および世代間倫理について

第2回日本放射線安全管理学会・日本保健物理学会合同大会
  • 齋藤 龍郎

開催年月日
2019年12月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
仙台
国・地域
日本

自然放射性核種を含む廃棄物の放射線防護に関する専門研究会は、2017年6月より2019年3月の活動を通じ、数十億年の長半減期と子孫核種による線量増大を特徴とするウラン廃棄物の埋設処分及びクリアランスに係る課題について検討した。検討結果のうち、今後取り組むべき重要な課題について報告する。一つは浅地中処分の超長期評価であり、定量評価に信頼が置ける数千から数万年間の線量評価を行った後、定量評価が難しい数万年以降の評価については、その低減傾向を示す等の定性的評価期間の導入を考えるべきとした。また、埋設処分後、数千から数万年後に発生するラドンについては、設計による合理的な被ばく低減が実際上困難であることから、従来の線量/確率分解アプローチ等の他、ラドン評価のみを免除するクリアランス導入や、天然賦存のラドン発生と合算して防護措置が必要な場合だけに対応する現存被ばくの考え方の導入等、ラドン独自の安全評価基準の検討が必要とした。なお、「世代間倫理」の観点からのウラン廃棄物処分については、将来世代と現世代との負担のバランスについての取るべき負担と責任を整理できず、結論には至らなかった。今後、長半減期で減衰のないウラン廃棄物の埋設処分及びクリアランスに係る課題について、本専門研究会の検討結果を踏まえ、規制当局も含めて議論が早期に行われることに期待する。

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