2003年 - 2005年
THzホールバーニング法による生体関連物質の測定
文部科学省 科学研究費補助金(萌芽研究) 萌芽研究
平成17年度の研究において,我々はTHz領域での飽和分光・ホールバーニング分光を行うためのシステム構築,飽和可能性のあるモデル化合物の探索,および,THz領域における生体関連物質の吸収スペクトルの測定を行った.その概要を下記に示す.(1)THz領域での飽和分光・ホールバーニング分光法の開発現状のテラヘルツ時間領域分光システムを改良し,飽和分光のためのテラヘルツ光源への応用の可能性を探索した.THz波発振のためのダイポールアンテナにダブルパルス化したフェムト秒パルスの導入を行い,THz波の強度の変化についての測定を行い,過飽和現象の測定を行う.本測定に関しては,非線形効果を引き出す十分な強度の獲得が困難であり、その達成を目指して、装置構成の更なる検討を含め、懸案事項が解決されていない.(2)生体試料のTHz吸収分光測定飽和分光に向けた生体試料について検討をさらに進めたが,THz領域に存在する水の吸収効果が非常に大きいため,その影響をなくすための工夫を行った.結果的には、できる限り水の混入を少なくするために,蛋白質結晶に着目し,反射測定に向けた試料作製法の確立,またそのTHz反射測定の検討を行った.分子集団モードの緩和が強くなく、分離可能なモードの存在可能性があると推定されること、また、蛋白質低振動数モードの解明という測定対象自体の意義に照らして、蛋白質結晶はTHz波非線形分光の対象として適切である。手法(1)の完成を待って、蛋白質結晶へ、その適用を試みる.
- ID情報
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- 課題番号 : 15654059