基本情報

所属
独立行政法人国立美術館 国立映画アーカイブ 上映室 主任研究員
独立行政法人国立美術館 東京国立近代美術館 企画課 主任研究員
学位
修士(人間・環境学)(京都大学), 博士(人間・環境学)(京都大学)

研究者番号
40580452
J-GLOBAL ID
200901018661510387
researchmap会員ID
5000089664

論文

  23

MISC

  19

書籍等出版物

  7

講演・口頭発表等

  59

所属学協会

  1

共同研究・競争的資金等の研究課題

  9

その他

  7
  • 38
    2025年4月 - 2025年5月
    光と影の交錯がもたらす階調豊かな画と美しい構図のキャメラによって、映画撮影を芸術的創造の領域まで高めた三浦光雄(1902―1956)。日本間に差し込む柔らかい光を捉えるために、暗部を強調したライティングを採用するなど、たえず新しい撮影技法を追求しながら、戦前・戦中・戦後の日本映画に真に的確な表現を与え続けました。 三浦のキャリアは、国際活映(国活)巣鴨撮影所現像部に現像助手として入社した1919年に始まります。1921年に撮影助手に転じ青島順一郎らに師事した後、同年に移籍した松竹では、島津保次郎とのコンビで知られる桑原昻の軟調のキャメラに大きな影響を受けます。『空は晴れたり』(1925、五所平之助)で撮影デビュー後、五所に画面構成を委ねられコンビを確立、創意溢れる撮影で“蒲田調”に新風を吹き込みます。1928年には半年間にわたりハリウッドに遊学し、翌年の帰国後第1作『新女性鑑』(五所)以降、持ち帰ったレンズ各種を駆使して、詩情豊かな画調にリアリスティックな表現を加味していきます。1931年には、当時人気の中心だった鈴木傳明らが松竹を去って不二映画を設立した際に行動をともにし、次いで新興キネマ(1932)、日活(1933)、入江ぷろだくしょん(1934)、P.C.L.(1937)を経て東宝に転籍、山本嘉次郎、衣笠貞之助、成瀬巳喜男、豊田四郎ら時代を代表する名匠の作品を中心に、生涯を通じて100作品あまりの撮影を手がけました。 戦中期には、暗さの限界において陰影の美を描きだした『川中島合戰』(1941、衣笠)で映画撮影技術賞(日本映画撮影者協会)を受賞、戦後復興期の本格的メロドラマ『今ひとたびの』(1947、五所)でもその甘美な画調で日本映画技術賞(撮影賞・日本映画技術協会)を受けました。東宝争議で一時同社を離れた後、戦後日本の撮影技術の到達点を示した五所の『わかれ雲』(1951)から『煙突の見える場所』(1953・2度目の日本映画技術賞を受賞)にいたるスタヂオ・エイト・プロ作品を経て、大映で手がけた『雁』(1953、豊田)は、抒情とリアリズムが見事に融合した三浦の集大成となりました。さらに戦前から続く名コンビ、豊田との『夫婦善哉』(1955)における傑出した撮影により三たび日本映画技術賞を受賞。その顕著な功績を讃え、1957年に新人の優れた撮影者を対象とする「三浦賞」が制定され、日本映画撮影監督協会(JSC)による顕彰が行われています。 本特集では、無声映画『愛よ人類と共にあれ』(1931、島津)から遺作『猫と庄造と二人のをんな』(1956、豊田)まで、33作品(31プログラム)を上映することで、国内最高峰の撮影技術を遺した三浦光雄の業績を回顧します。
  • 48
    2024年7月 - 2024年8月
    東京国立近代美術館が1968年に「返還映画」を冠した特集上映を組んで以来、およそ半世紀ぶりの開催となった昨年度の「第一次・劇映画篇」に続き、「返還映画コレクション(2)――第一次/二次・劇映画篇」を企画しました。アメリカ議会図書館に約1,400本におよぶ戦前・戦中期の日本映画が残存している事実が判明したのは、1964年のことです。日米双方による事前調査と折衝を経て、1967年11月8日に「交換協定文書」が調印され、日本側が返還を希望した可燃性フィルム群が里帰りを果たしました。その後の困難な整理・不燃化作業を経て、国立映画アーカイブの基盤となるコレクションを形成した「返還映画」の中には、戦時期に米国内の各地で日系人から接収されたものや、戦後に民間情報教育局(CIE)の覚書「非民主的映画の排除」によって上映を禁止された劇映画の一部等が含まれていました。このたび当館では、1967年の第一次から1984年の第四次にかけて返還された可燃性フィルムの収蔵時の経緯等について再調査を実施し、収蔵時期の明確になったコレクションから順次(再)公開する運びとなりました。本企画は、社団法人・日本映画製作者連盟(当時・以下映連)加盟の大手映画会社4社(松竹、東宝、大映、日活)が優先的に返還を希望した第一次返還映画を継続して採り上げるとともに、映連各社が原版を所持していたために実際は返還を受けていないにも拘らず、「返還映画の特集〈第二期〉」(1968)で上映された作品群、ならびに第一次返還時に誤送されてきた『高山彦九郎』(1928)や『日本剱豪傅 新月寶藏院流』(1945)と併映する第二次返還映画を含め、計27本の劇映画を24プログラムに組んで上映する回顧特集です。戦前・戦中期に公開されたされた映画の光と影に迫る特集を企画しました。
  • 171
    2023年11月 - 2023年11月
    東京国立近代美術館が1968年に「返還映画」を冠した特集上映を組んで以来、55年ぶりに「返還映画コレクション(1)――第一次・劇映画篇」を企画しました。アメリカ議会図書館に約1,400本におよぶ戦前・戦中期の日本映画が残存している事実が判明したのは、1964年のことです。日米双方による事前調査と折衝を経て、1967年11月8日に「交換協定文書」が調印され、日本側が返還を希望した可燃性フィルム群が里帰りを果たしました。その後、国立映画アーカイブの基盤となるコレクションを形成した「返還映画」の中には、戦前・戦中期に心理・情報戦の資料として、米国内外の各地で収集されてきたものや、戦後に民間情報教育局(CIE)の覚書「非民主的映画の排除」によって上映を禁止された劇映画の一部等が含まれていました。第一次返還時点の内訳は、劇映画59本、文化・記録映画52本、ニュース映画372本、計483本でしたが、一部欠落のある作品や、劣化や損傷の見られる可燃性フィルムも多く、その後の整理・不燃化作業は困難を極めました。このたび当館では、1967年の第一次から1990年代の第四次にかけて返還された可燃性フィルムの収蔵時の経緯等について再調査を実施し、収蔵時期の明確になったコレクションから順次(再)公開する運びとなりました。 本企画は、第一次返還映画のうち『進軍』(1930)から『乙女のゐる基地』(1945)までの劇映画31本と、当初から返還を希望したにも拘わらず、唯一後送された劇映画『鴛鴦歌合戰』(1939)を加えた計32本を27プログラムに組んで上映する回顧特集です。無声映画の上映に際しては伴奏付きの上映回を、また近年、映画史的に再評価の進んだ『月夜鴉』(1939)と『かくて神風は吹く』(1944)に関しては、研究者による講演付きの上映回を設け、戦前・戦中期に公開された映画の光と影に迫る特集を企画しました。
  • 77
    2023年8月 - 2023年8月
    2002年『頭山』によりアヌシー国際アニメーション映画祭でクリスタル(最高賞)を受賞、つねに異なるメディア、異なる技法、異なるフィールドを行き来し、自由奔放で詩情あふれる作品群を送り出してきたアニメーション作家・山村浩二。国立映画アーカイブが山村浩二監督から学生時代以降のフィルム原版の多くを受贈したのを機に、世界初の一般公開となる最初期の短篇から最新作『幾多の北』(2021)まで、山村監督のフィルモグラフィー全体を多面的に振り返る回顧上映をキュレーションし、40年をこえるキャリアを年代ごとに区分けした6プログラム、47作品の上映でその足跡を振り返った。
  • 54
    2022年5月 - 2022年5月
    国立映画アーカイブが新たに発掘・復元した映画を紹介する企画「発掘された映画たち2022」のキュレーションを担当。日本人によって撮影された現存最古の日本映画『紅葉狩』(1899)の赤染色・最長版をはじめ、初代中村鴈治郎の舞台等を記録したプライベートフィルムのコレクション、近年の同定調査により青染色が施されていることが明らかになった『狂った一頁』(1926)、1930年の初公開時の姿を再現した『日本南極探檢』のデジタル復元・最長版、また、茨城県・神龍寺所蔵の説明台本をもとに弁士付きで上映される『關東大震大火實況』(1923)や、西村小楽天の説明音声を映像と同期させた『戀の花咲く 伊豆の踊子』(1933)、さらには、長らく上映の機会が失われていた清水宏の戦後第2作『明日は日本晴れ』(1948)、マキノ正博主宰のC.A.C.(映画藝術家協同)が製作した『生きてゐた幽靈』(1948)と『今日われ恋愛す』(1949)、映画完成時の色彩を再現した『回路』(2001)の銀残し・再タイミング版など、計58本(19プログラム)の作品を上映した。
  • 49
    2018年1月 - 2018年1月
    東京国立近代美術館フィルムセンターが新たに発掘・復元した映画を紹介する企画「発掘された映画たち 2018」のキュレーションを担当。初めてその全体像が明らかになった“皇太子渡欧映画”(1921年)、無声版の現存が初めて確認された横田商会製作の『忠臣蔵』(1910-1912年)、日露戦争と関東大震災の記録映画等の「複数バージョン」特集、また、17.5mmやコダカラーといった短命映画規格のフィルムを多く含む阿部正直コレクション特集、明治大正期に創業した企業の貴重な記録映画特集、『ここに生きる』(1962年)や『ヴェトナム戦争』(1967年)等独立プロの作品、さらにはアグファカラーの色の歴史的再現を目指した『浮草』(1959年)のデジタル復元版や、映画完成時の色味を再現した『セーラー服と機関銃 完璧版』(1982年)の再タイミング版など、計89本(30プログラム)の作品を上映した。
  • 61
    2014年9月 - 2014年9月
    東京国立近代美術館フィルムセンターが新たに発掘・復元した映画を紹介する企画「発掘された映画たち 2014」のキュレーションを担当。日露戦争と関東大震災に関する「複数バージョン」映画特集をはじめとして、日活の前身である四社のうち、初めて現存が確認された福宝堂(1910年創業)撮影の記録映画、また、現存する日本最古のアニメーション『なまくら刀』(1917年)の最長版や徳川夢声の説明音声を映像と同期させた『路上の靈魂』(1921年)、さらには戦前の大阪で活躍したアマチュア映画作家・森紅の特集など、計49本(14プログラム)の作品を上映した。